「恋をすると綺麗になる」とはよく言われますが、その根拠のひとつとして恋愛時に分泌されるホルモンPEA(フェニルエチルアミン)の存在があります。いわゆる恋愛ホルモンと称されるPEAとは一体どのような働きをするのか?恋して痩せるは本当か?その秘められた効力をご紹介します。
恋愛ホルモンPEA(フェニルエチルアミン)とは?
PEA(フェニルエチルアミン)とは、代表的な恋愛ホルモンのひとつで、異性に好意を持ったり、何かに集中したりしているときに脳下垂体から分泌されます。 快楽を司るホルモンであるドーパミンやノルアドレナリンの濃度を上昇させるため、性的興奮と快感を感じるようになり、いわゆる恋煩いや高揚感を誘発します。
PEAが女性を綺麗にする理由
好きな人を前にすると、なんだか胸がいっぱいになって食欲がなくなる…そんな経験はありませんか?恋愛状態では、ドーパミンの分泌で神経が興奮し、脳の視床下部にある性中枢を刺激します。女性は、この性中枢と満腹中枢の距離が男性よりも近く、性的にときめいた際に満腹中枢も刺激されるのです。
また、同じく恋愛ホルモンであるノルアドレナリンは、脂肪の分解や燃焼を促進する働きがあり、脂肪代謝を活性化し、エネルギーを作り出します。
つまり、PEAが分泌され恋愛状態になることによって、ドーパミンやノルアドレナリンの濃度が上昇し、満腹作用と脂肪燃焼作用が同時に起き、実際に痩せやすくなる、つまり「恋して痩せる」状態になるのです。
PEA濃度を意図的に増やすには?
まずひとつは、PEAを多く含むチョコレートや赤ワイン、チーズを摂取すること。特にチーズはチョコレートの10倍PEAを含んでおり、恋におちやすい状態になるとまで言われています。ただし、食べ物でPEAを摂取する場合、代謝によってホルモン濃度が下がってしまうので、一時的なものだと考えましょう。
ふたつめは、ロマンチックな映画を見たり、過去の恋愛を思い出したりして、内的にPEAを増やす方法です。特に許されない恋愛をしている人は大量にPEAを分泌するので、そういった映画や小説を選んでみるのもひとつの手です。
PEAの分泌は長くは続かない?
「素晴らしい効力を発揮してくれると思われたPEAですが、恋愛によるPEAの分泌は半年から長くても4年で終わってしまうと言われています。PEAが分泌されている状態はある意味興奮状態なので、あまり長期的に分泌されると身体によくないそう。恋人の良いところを再発見したり、新しい恋を探したりして再びときめきを取り戻すか、前項で紹介した裏技を利用して、キレイを保てるよう工夫したいですね。
【参考文献】
講談社『愛は脳内物質が決める』著者:テレサ・L. クレンショー 翻訳:小川敏子
朝日出版社『愛を成功させる法 (革命科学シリーズ)』著者:軽部征夫
角川グループパブリッシング『女はなぜ突然怒り出すのか?』著者:姫野友美