健康的な生活を送るためにも、脳の活性化を図ることは効果的と言われています。脳の活性化というと認知症予防というイメージが強いかもしれませんが、健康的な脳や心身を保つためにも脳の活性化は日常的に行うのがおすすめです。
そこで今回は、脳の活性化を図ることで得られる効果や、すぐにできる脳の活性化を目指す方法について紹介します。
一般社団法人 日本ダイエットスペシャリスト協会理事長
健康運動指導士
生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値に着目し、低インシュリンダイエットを提唱。主な活動として、各健康保険組合・企業・各都道府県での講演活動、雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けている。
◆一般社団法人 日本ダイエットスペシャリスト協会 公式ホームページ:https://jdsa.co.jp/
「脳の活性化を図る」とは?
「物忘れが気になる」「考えるスピードが遅くなった気がする」という方におすすめしたいのが、脳の活性化を図ることです。では、脳が活性化するとどのような状態になるのか、どうすれば脳を活性化させることができるのか、解説します。
脳が活性化するとどんな状態になるのか
脳が活性化した状態とは、脳の血流量が増え、脳内領域のネットワークが広がった状態です。脳で情報を処理するスピードを上げるためには、脳内領域のネットワークを広げることが大切と言われています。
脳が活性化するとネットワークが広がり、膨大な情報や選択肢のなかから最適なルートを選択できるようになると考えられているのです。
意図的に脳の活性化を図ることはできる?
「脳トレ」や生活習慣の改善など、脳の活性化に役立つ行動を意識的に行うと、脳を活性化できると言われています。なぜ脳の活性化が注目されているのかというと、脳は加齢によって小さくなったり、機能が低下したりするため、意識的に脳を活性化させることで認知機能の低下予防に役立つからです。
たとえば青魚の油は、認知機能の一部である記憶力や注意力、判断力、空間認識力の維持に役立つと言われているため、食事に積極的に青魚を取り入れて脳の活性化を図るのもおすすめの方法です。
脳を活性化させるメリット
脳を活性化させると、集中力や記憶力などの脳機能の向上が目指せると言われています。脳機能を維持することで認知症の予防、毎日の生活や仕事の生産性向上にもつながるでしょう。
また、脳は体だけでなく心とも密接な関係にあります。メンタルの健康は免疫や疲れとも関係する可能性があるため、意識的に脳を活性化させることで長期的に健康な生活を送ることに役立つでしょう。
脳が活性化する場面
意識しなくても日常生活において脳が活性化している場面はあります。では、どのようなときに脳は活性化するのでしょうか。
栄養バランスの取れた食事を楽しむ
主食、主菜、副菜のバランスに気をつけて適切な量の食事を楽しむのも、脳の活性化に役立つと言われています。
野菜や果物、魚などを豊富に含む食事は、摂取できる栄養素が多くなるのでおすすめです。なかでもサバやさんま、アジなどの青魚には、DHAやEPAが豊富に含まれています。
DHAやEPAは人間の体では十分な量を生成できないため、青魚を積極的に献立に取り入れてみてください。
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趣味の活動を行ったりコミュニケーションを取ったりする
興味のある活動に参加すると脳の活性化に役立つと言われています。スポーツや習い事など、仕事や家庭以外に活動の場を広げるのも一つの方法です。
本を読んだり、ゲームをしたりするのも、脳の活性化に役立ちます。また、ストレスは脳にいい影響を与えないため、適度に外出したり、人との交流を楽しんだりするのもおすすめです。外出する機会がなかなかない場合は、電話やビデオ通話を定期的に行うことで、すらすら話すトレーニングになるでしょう。
運動に取り組む
体を動かすと脳の血流や神経細胞が増えるため、脳の活性化に効果的と言われています。また、定期的な運動は認知機能の向上につながるとも言われているため、適度に運動する習慣をつけるのがおすすめです。
運動が苦手な方はできるだけ歩く習慣をつけたり、ストレッチを行ったりするのも一つの方法です。
関連記事: 健康な体作りの方法とは?食事・運動・睡眠・ストレスケアのポイントを解説脳の活性化を目指す!簡単にできる脳トレ
難しい問題を解いたり、ゲームを行ったりせず、普段の行動を少し変えるだけでも脳トレになると言われています。今回は今日からすぐにできる日常行動の脳トレを紹介するので、ぜひ実践してみてください。
利き手ではない手を使う
利き手ではない手を使って生活すると、普段と同じ動作も一挙一動を意識して行うようになります。たとえば利き手ではない方の手で字を書いたり、食事をしたりすると「どうやったら上手に書けるか」「どうやって箸を使ったら食べやすいか」など、考えながら動作をする必要があります。
また、慣れない動作は集中する必要があるので、脳の活性化や注意力の向上などといった効果が期待できるでしょう。利き手ではない手でスマホ操作をするのもおすすめです。
同時進行で料理に挑戦する
複数の動作を組み立てながら同時進行する料理は、脳の活性化に役立つと言われています。レンジを使っている間に野菜を切る、コンロの数や鍋の数を考慮して工程を考えるなど、優先順位をつけながら効率的に作業を進めることで脳の活性化が期待できます。
料理に限らず、複数の動作を同時進行で行うことは、脳の活性化につながるでしょう。音楽やオーディオブック、ラジオなどを聞きながらウォーキングやストレッチといった運動をするのもおすすめです
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普段と違う行動を選択してみる
普段と違う行動を選択すると新しい情報が入ってくるので、脳の活性化に役立つと言われています。たとえば、いつもと違う道で帰宅すると景色が変わって気分も変わるでしょう。
また、外食をしていつもは選ばないメニューを頼んでみると、新しい発見や味わったことのない味覚に出会えるかもしれません。簡単なことでも構わないので、「1日に1つはいつもと違う選択をする」と決めておくと、脳が活性化しやすいでしょう。
脳の活性化に役立つ食事レシピ
脳の活性化には栄養バランスのいい食事を楽しむのも一つの方法ですが、脳の活性化に役立つ食材をメニューに取り入れると、さらに脳の活性化を図ることにつながるでしょう。今回は脳の活性化に役立つレシピを2つ紹介するので、ぜひ献立の参考にしてみてください。
キウイとカマンベールのサラダ
果物や野菜を積極的に摂取することは脳の活性化に役立つと言われています。ジューシーでビタミン豊富なキウイとカマンベールの塩味のバランスがクセになる、彩り鮮やかなサラダです。
● キウイ 1個
● カマンベールチーズ 1/2箱
● リーフレタス 15g
● ミント 2g
(A)
● 12ヶ月の食卓™ 塩 ひとつまみ
● レモン汁 小さじ1
● Plant to Table by Nutrilite™ ホワイトチアシードオイル 小さじ2
● 黒こしょう 少々
【作り方】
1.キウイは5mm幅の半月切りに、カマンベールは6等分に切ります。リーフレタスは細かくちぎっておいてください。
2.器に(1)の食材を盛り付け、ミントを散らしたら(A)をかけて完成です。
塩サバのアクアパッツァ
青魚のサバはDHAやEPAが豊富です。脳の活性化に役立つ食事メニューとしてぜひ取り入れてみてください。アクアパッツァは見た目も鮮やかで美しいので、パーティーメニューにもピッタリです
【材料】
●塩サバ 半身2枚
●あさり 10個程度(1パック)
●ミニトマト 10個
●れんこん 1/2個
●ブロッコリー 1/2株
●ニンニクみじん切り 小さじ1
●白ワイン 50CC
●エキストラバージンオリーブオイル 大さじ2
●塩こしょう 適量
●ハーブ(タイムやローズマリーお好みで) 適量
【作り方】
1.塩サバは食べやすい大きさに切り、レンコンは半月切りに、ブロッコリーは1口サイズにカットします。あさりは砂抜きをしておいてください。
2.フライパンに油を敷き、ゴムベラで広げます。レンコンと塩サバの皮目を下にして入れ、中火で加熱します。
3.皮目に焼き色がついたらひっくり返し、にんにくのみじん切りを入れて炒めます。
4.オリーブオイル、塩こしょう以外の材料を全て入れ、蓋をして5分ほど加熱します。
5.お好みで塩こしょうをふり、オリーブオイルをかけて、飾り付けにハーブをのせて完成です。塩サバの塩分とあさりの塩分があるので、味を確認してから塩こしょうで調節してください。
毎日の生活に気をつけて脳の活性化を目指しましょう
少しでも長く健康的な脳や心、体をキープするためにも脳の活性化を図ることがおすすめです。毎日の習慣や食事の内容を少し変えるだけでも脳の活性化を目指せるので、できることから取り入れてみてください。
脳の機能は加齢によって低下していくと考えられているため、早めに脳の活性化を図る習慣をつけましょう。
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