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栄養バランスのよい食事とは?献立のポイントや改善点を解説

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2023年9月20日 / 更新:2023年9月28日

健康的な毎日を過ごすためには、栄養バランスのよい食事が欠かせません。しかし「どんなメニューならバランスのよい食事がとれるの?」「カロリーや栄養素の計算は大変そう」とお悩みの人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、栄養バランスのよい食事のポイントや、手軽に取り組める食事の改善ポイントなどを紹介します。

医学博士・永田孝行

一般社団法人 日本ダイエットスペシャリスト協会理事長
健康運動指導士

生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値に着目し、低インシュリンダイエットを提唱。主な活動として、各健康保険組合・企業・各都道府県での講演活動、雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けている。

◆一般社団法人 日本ダイエットスペシャリスト協会 公式ホームページ:https://jdsa.co.jp/

栄養バランスのよい食事とは?

「栄養バランスのよい食事」とは、人が心身ともに健康的な生活を送るために必要なエネルギーや栄養素を、過不足なく摂取できる食事のことを指します。

しかし、自分がどの程度のエネルギーや栄養素を摂取すれば、心身ともに健康に過ごせるのか、正しく把握している人は少ないかも知れません。そこで参考にしたいのが、健康増進法に基づいて厚生労働省がまとめている「日本人の食事摂取基準」です。

「日本人の食事摂取基準」では、年齢や性別ごとに推奨されるエネルギーや栄養素の摂取量の目安が定められています。栄養素に関しては、以下の5大栄養素の摂取すべき量の基準が設定されています。

● たんぱく質
● 脂質
● 炭水化物
● ビタミン
● ミネラル

健康的な毎日を送るためには、活動に必要なエネルギーに加え、これらの栄養素を年齢や性別に合わせて、適切な量を摂取することが重要とされています。最近は、ダイエットを意識するあまり、脂質や炭水化物の摂取量を極端に控えてしまうケースも見られますが、脂質や炭水化物も心身の健康には欠かせない栄養素です。

しかし、エネルギーや栄養素の摂取量を日々計算しながら食事を作るのは、現実的には難しいものです。そこで意識したいのが「主食・主菜・副菜」といった献立の基本になります。

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バランスのよい食事の基本は「主食・主菜・副菜」

適切なエネルギー量や栄養素をバランスよく摂取するためには「主食・主菜・副菜」という献立の基本を意識することが大切です。


主食

主食とは「炭水化物(主に糖質)」を多く含むご飯やパン、麺類などを指します。献立の中では最も摂取量が多く、主に活動に必要なエネルギー源となります。


主菜

主菜とは、肉や魚、卵、大豆など「たんぱく質」や「脂質」を含む食材を使ったおかずのことです。特に、肉や魚を使用したおかずは、献立の中ではメインディッシュとなることが多く、献立を考える際の軸となります。また、冷ややっこや納豆など、大豆製品を使用したおかずも、主菜のひとつと考えます。


副菜

副菜とは、野菜やきのこ、いも、海藻など「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」を含む食材を使用したおかずのことです。野菜サラダやおひたし、具だくさんの味噌汁など、付け合わせとして献立に彩を添える役割もあります。煮豆やひじきの煮物なども副菜に含まれるので、常備菜として用意してあると便利でしょう。

献立の参考になる「食事バランスガイド」

献立の基本となる「主食」「主菜」「副菜」に「牛乳・乳製品」「果物」を加えた5つのグループを、それぞれ1日にどれくらい食べればいいのかわかりやすく示したものが、厚生労働省と農林水産省が作成した「食事バランスガイド」です。

上記のイラストで示されているのは、約2,200kcalを摂取する場合の各献立の目安量です。それぞれのグループの摂取量の目安をSV(サービング)という単位を用いて表しています。 摂取カロリーごとの各グループのSVは、以下の通りです。

エネルギー 主食 副菜 主菜 牛乳・乳製品 果物
1,400~2,000kacl 4~5つ 5~6つ 3~4つ 2つ(子どもは2~3つ) 2つ
基本形 2,200kacl (±200Kcal) 5~7つ 5~6つ 3~5つ 2つ(子どもは2~3つ) 2つ
2,400~3,000kacl 6~8つ 6~7つ 4~6つ 2~3つ(子どもは2~4つ) 2~3つ

1日に必要となる摂取カロリーは、年齢や性別、その人の身体活動量によっても異なります。

農林水産省では、ご家庭で参考にしやすい「食事バランスガイド」教材を提供しています。これらを参考に、「主食」「主菜」「副菜」「牛乳・乳製品」「果物」のそれぞれの適切量を確認して、栄養バランスのよい献立を考えてみましょう。

不足しがちな栄養素

栄養バランスのよい食事をとるためには、主食・主菜・副菜をベースにバランスのとれた献立を考えることが基本となります。しかし、バランスのとれた献立を意識していても、現代人の生活の中では、どうしても不足しやすい栄養素があることに注意しましょう。

ここからは、特に不足しやすい栄養素である「たんぱく質」「食物繊維」「カルシウム」「鉄」の4つの栄養素について、効率的に摂取するためのポイントを紹介します。


たんぱく質

たんぱく質は、私たちの体を作る基礎となる重要な栄養素です。しかし、ダイエットを意識しすぎて食事量を減らしているケースなどでは、たんぱく質の摂取量が不足している場合が多くみられます。

たんぱく質は、肉や魚、卵、大豆に多く含まれます。高タンパク低カロリーな鶏ムネ肉や赤身肉などを主菜に取り入れたり、魚肉を使用したちくわやソーセージなど手軽な加工食品を活用したりすると、効率的にたんぱく質を摂取できます。


食物繊維

食物繊維は腸の健康のために欠かせない栄養素のひとつです。食物繊維が不足すると腸内環境が悪化し、便秘になりやすくなります。さらに腸内環境の悪化が続くと、重篤な病気のリスクも高まるため注意が必要です。

食物繊維は野菜やイモ類、海藻類に多く含まれます。そのままではかさの多い野菜も、火を通すことでかさが減り効率的に食物繊維が摂取できます。また、主食の米は食物繊維が多く含まれる玄米へ変更するのも方法のひとつです。


カルシウム

カルシウムは人体に含まれるミネラルのひとつで、歯や骨を形成しています。しかし、カルシウムは単独では体内に吸収されにくく、十分な量を摂取しているのに不足してしまう可能性があるのです。カルシウムを摂取する際は、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDを一緒に摂取するのがおすすめです。

魚類やきのこ類はカルシウムとビタミンDの両方を含んでいるため、これらを上手に献立に取り入れてカルシウムの吸収率を高めましょう。


ミネラルのひとつである鉄は全身に酸素を運ぶ働きのある赤血球の材料です。しかし、特に女性の場合は月経があるため鉄が不足しがちです。鉄が不足すると貧血や頭痛、疲労感、食欲不振などを引き起こすリスクが高まります。

鉄には肉や魚に含まれる「ヘム鉄」と、野菜などに含まれる「非ヘム鉄」の2種類がありますが、吸収率が高いのは「ヘム鉄」です。また、動物性たんぱく質と一緒に摂取することで、鉄の吸収もよくなるため、赤身の肉や魚を献立に取り入れるといいでしょう。

栄養バランスのよい食事をとるためのポイントや改善点

栄養バランスのよい食事の重要性がわかっていても「毎日忙しくて、なかなか食事のバランスまで考えられない」「一人暮らしなので、つい1品料理が多くなってしまう」という人も少なくないでしょう。

そこでここからは、手軽に取り入れられるバランスのよい食事のためのポイントや、日々の献立の改善点などを紹介します。


冷凍野菜やカット野菜なども活用

共働きで忙しい人などは、冷凍野菜やカット野菜といった便利な食材も活用しましょう。冷凍野菜やカット野菜は、袋を開ければすぐに料理に入れられるため、調理の手間が省けます。また、小分けタイプを必要分だけ購入することで、食材を余らせてしまうことも避けられます。

さらに冷凍野菜は、栄養価の高い旬の時期の野菜を使用していることが多く、手軽かつ効率的に栄養素を摂取できる優れた食材といえます。


食べ方のくせを把握して改善する

栄養バランスが偏ってしまう原因のひとつに「食べ方のくせ」が関係しています。例えば「ご飯や麺類などの主食が好きで、丼ものや麺類などの単品料理が多くなってしまう」「食べることが好きで、つい満腹なるまで食べ過ぎてしまう」「食が細くて、たくさん食べられない」「いつも同じメニューばかり選んでしまう」といったくせがあげられます。

こうした自分の「食べ方のくせ」を把握することは、栄養バランスのよい食事をとるための第一歩といえます。食べ方のくせを分析し、不足しやすい栄養素や過剰に摂取してしまう栄養素を把握して、献立の改善を検討しましょう。


朝食は調理いらずの簡単メニューでもOK

「朝は時間がなくて朝食を抜いてしまう」「食欲が出ないので朝はコーヒーだけ」という人も少なくないでしょう。しかし、朝食を抜いてしまうと、その分1日に摂取できる栄養素が偏ってしまうこともあります。そこで、朝食には調理いらずの簡単メニューを取り入れるのがおすすめです。

例えば、バナナとヨーグルト、シリアルに牛乳をプラス、などの手軽なメニューでもいいでしょう。食欲がない時でも食べやすく、不足しがちなカルシウムや食物繊維も補えます。

また、お手軽調理のスピードメニューに挑戦してみるのもおすすめです。忙しい朝でも簡単に栄養を摂取できるスピードメニューを紹介します。



しらすのりチーズトースト

【材料(1人分)】
● 食パン(6枚切り) 1枚(60g)
● のりの佃煮 小さじ2
● スライスチーズ 1枚
● しらす 大さじ3(15g)

【作り方】
1.食パンにのりの佃煮を塗り、スライスチーズ、しらすをのせる。
2.ノンスティック フライパンに(1)をのせ、IR5(中火)で5分加熱する。火をとめて、チーズが溶けるまで余熱で2~3分蒸らす。


枝豆とひじきのオイルごはんおにぎり

【材料(2人分)】
● もち麦入りオイルごはん 茶碗に2杯分
● ゆで枝豆(さやから出して) 60g
● 芽ひじき(乾燥)(水に5分つけてもどす) 大さじ1
● 12ヶ月の食卓 塩 適宜
● 水 適宜

【作り方】
1.ミキシングボウルにもち麦入りオイルごはんを入れ、枝豆、水気をきった芽ひじきを加えてさっくりと混ぜる。
2. 4等分にし、手に12ヶ月の食卓 塩、水をつけておにぎりにする。

栄養バランスのよい食事をしよう

栄養バランスのよい食事とは、人が心身ともに健康的な生活を送るために必要なエネルギーや栄養素を、過不足なく摂取できる食事のことです。栄養バランスのよい食事をとるためには、「食事バランスガイド」を参考に「主食・主菜・副菜」をベースにした献立を意識しましょう。ただし、現代の食生活では、たんぱく質や食物繊維、カルシウム、鉄などの栄養素が不足しやすい傾向にあります。自分の食事のくせを把握して、不足しやすい栄養素を上手に補いながら、健康的な食生活を目指すことが大切です。

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