玉ねぎと私たち人間との結びつきは古く、紀元前3000年以前の古代エジプトやメソポタミアの地域で栽培され食べられてきました。ピラミッド建設の労働者が玉ねぎとニンニクを食べていたという記録も残されています。
原産は中央アジアと言われ、英語名onion(オニオン)の語源はラテン語のunio(ウニオー)で「真珠」を意味するとか。古来より神秘的なパワーを持つものと考えられてきました。
一般社団法人 日本ダイエットスペシャリスト協会理事長
健康運動指導士
生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値に着目し、低インシュリンダイエットを提唱。主な活動として、各健康保険組合・企業・各都道府県での講演活動、雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けている。
◆一般社団法人 日本ダイエットスペシャリスト協会 公式ホームページ:https://jdsa.co.jp/
辛くて甘い?玉ねぎの不思議
生だとツーンとした辛みが刺激的な玉ねぎですが、火を加えると甘くなるのはなぜでしょうか。玉ねぎには100グラムあたり5~7グラムとイチゴと同等の糖分が含まれていますが、切ることで硫黄化合物が空気に触れ辛み成分が生まれます。生玉ねぎが辛いのは、辛みによって甘みが消されているだけなのです。
この辛み成分は揮発性で時間が経つと失われ、甘みが残ります。炒めると水分の蒸発によってさらに凝縮され、甘みが強くなるのはこのためです。
玉ねぎには体にうれしい秘密がいろいろ!
玉ねぎが持つさまざまな効能のなかで、代表的なものが「血液サラサラ効果」で血管の詰まりや硬化の防止に役立ちます。調理するときのポイントは、玉ねぎを切った後は15分ほどおいておき、なるべく水にさらさないこと。酵素が働き、玉ねぎ成分が加熱しても失われません。
生の玉ねぎサラダなどで辛みが気になる方は、酢と合わせてレンジで短時間温めると辛みがマイルドになって食べやすくなりますよ。
玉ねぎは菌活に最適!良い腸内細菌バランスを目指そう!
健康的な生活を送るために大切な野菜である「玉ねぎ」。実は、腸内物質を活性化して腸内環境を整える「菌活」にも役立つ食材だということをご存知でしょうか?
腸内環境を整えることは、美容にも大きな影響を与えます。玉ねぎを味方につけて、体もお肌も理想的な状態を目指しましょう。
腸内環境を整えて美肌に
玉ねぎを加熱するとオリゴ糖が作られ、玉ねぎの食物繊維との相乗作用で腸内物質の働きをサポートします。腸内環境が改善されると便の滞留改善、美肌などうれしい効果が期待できます。
身近な食材の玉ねぎですが、知れば知るほど健康・美容効果が満載です。調理方法を工夫して日々賢く美味しく摂りたいですね。
菌活は理想的な毎日を目指せる
腸は体だけでなく心やパフォーマンスにも大きな影響を与えるため、「第二の脳」と呼ばれています。腸内物質が多いとストレスや不安を抑制できるなど、腸が脳や心と深い関わりを持っているためです。
また、腸には免疫系細胞の約7割が集まっていると言われており、腸内環境を整えることで免疫力アップも期待できるでしょう。
菌活の基本は食事、水、運動の3つです。なかでも体づくりに大きく関わってくるのが食事です。食事のバランスを意識しながら、積極的に玉ねぎを取り入れることで腸内細菌のエサとして腸内で働いてくれるでしょう。
さらに、腸内環境が整えば、女性が悩みがちな便の滞留改善にも役立ちます。スッキリとした理想的な毎日を目指すためにも、菌活を意識してみてください。
デトックス効果の高い万能ドレッシングレシピ
バランスの整った腸内環境を目指せる食材「玉ねぎ」。料理に使いやすい野菜の一つでもありますが、ドレッシングにすると食べやすく、たっぷり玉ねぎを摂ることができます。
今回は生の玉ねぎを使ったドレッシングと、加熱した玉ねぎを使った万能ドレッシングレシピを紹介します。サラダはもちろん、メインの主菜にもかけて召し上がってみてください。
サラダにもグリルにも合う!万能玉ねぎドレッシング
生の玉ねぎは辛いイメージがあるかもしれませんが、新玉ねぎを選ぶことで甘みを感じる絶品ドレッシングになります。サラダやグリルしたお肉やお魚にかけて、新玉ねぎの風味を味わってみてください。
【材料】
● 新玉ねぎ 1/2個
● ニンニク 1/2片
(合わせ調味料)
● しょうゆ 大さじ2
● 酢 大さじ1
● 砂糖 大さじ1/2
● 塩 少々
● 黒こしょう 少々
● オリーブオイル 大さじ1
【作り方】
- 1. 新玉ねぎを2cm幅に切る
- 2. フードプロセッサーに(1)とニンニクを入れ、細かくなるまで混ぜ合わせる
- 3. (合わせ調味料)の材料を加え、全体に味が馴染むまで混ぜ合わせる
- 4. 器に移して完成
焦がし玉ねぎの食べるオニオンドレッシング
和食にも洋食にも合う焦がし玉ねぎのドレッシングです。弱火で玉ねぎの甘みをしっかりと引き出しているので、ご飯のおかずとしても絶品です。
【材料】
● 玉ねぎ 1個
● オリーブオイル 大さじ3(45ml)
(合わせ調味料)
● 酢 大さじ2(30ml)
● しょうゆ 大さじ2(30ml)
● 砂糖 大さじ1
【作り方】
- 1. 玉ねぎをみじん切りにする
- 2. オリーブオイルを引いたフライパンに(1)の玉ねぎを入れ、加熱せずに玉ねぎにオイルが行き渡るように混ぜ合わせる
- 3. 蓋をして弱めの中火にかけ、10分ほど加熱する
- 4. 全体をかき混ぜたら再び蓋をして、さらに10分ほど加熱
- 5. 全体をかき混ぜて、きつね色になっている部分があったら火を止める
- 6. 調味料を加えて、予熱で全体を混ぜ合わせる
- 7. 器に移して完成
引用元:週末の作り置きレシピ
まとめ
【参考文献】
- アリウム研究チーム『「行者ニンニク」と「玉ねぎ」の驚きの新効果』EH出版
- レシピコレクション
- こころとからだの免疫学─腸内細菌の働きを中心に─
- e-ヘルスネット 腸内細菌と健康