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オーガニック野菜が「安全」「体にいい」は本当?

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2022年1月19日 / 更新:2022年6月14日

健康志向の方にはすっかりおなじみとなった、オーガニック野菜。なんとなく、「体に良さそう」「栄養が豊富そう」というイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。オーガニックの意味やメリットを知って、オーガニックに関する正しい知識を身につけましょう。

「オーガニック」ってどんなもの?

オーガニック栽培とはつまり有機栽培のこと。有機栽培とは化学肥料や農薬を避けて、有機質の肥料や土壌を改良する資材を使用した栽培方法のことを言います。有機栽培で育てられた農作物を「オーガニック」と表示するための基準は、世界各国でそれぞれ細かく規定されていて、例えば日本国内の場合は有機JAS規格で定められています。

有機栽培の最大の目的は、自然がもともと持っている生態系を活かして、農作物が育つ環境を健全に保つことにあります。つまり、土壌や水質を健康に保ち、すべての生き物が共生・共存できる環境を作る、地球にやさしい農業が有機栽培なのです。

オーガニック野菜を選ぶワケ

有機栽培は環境づくりだけでなく、その収穫物にもメリットがあります。オーガニック野菜に対して消費者のイメージを調査した結果では、「オーガニック(有機)」という言葉から浮かぶイメージは、76%以上の人が「安心・安全」、63%以上の人が「体によい」と答えています。また、オーガニック農作物を購入したいかどうかについては、「現在購入している」「購入したいと思う」が合わせて82%を超えました。やはり、消費者はオーガニック野菜に対してとても良いイメージを持っているといえるようですね。

実際、有機栽培と非有機栽培の農作物の違いについてはこれまでいろいろな説がありました。化学肥料にもさまざまな種類があり、単純に比較するのは難しいですが、消費者は非有機栽培の農作物にどんな化学肥料が使用されているかわからないので、有機栽培の方が安全だと考えざるをえないという意見もあるようです。

オーガニックと非オーガニック。植物の栄養価に驚きの差が

また、栄養価の差については、2014年の国際的栄養学専門誌で、非有機栽培より有機栽培の農作物の方がファイトケミカルスの量が多いことが発表されました。ファイトケミカルスとはリコペンやイソフラボンなど、野菜や果物などの植物が持つ成分の総称※1で、成分によっては有機作物の方が、非有機作物より1.7倍も多く含まれていることがわかりました。
ファイトケミカルスは植物自体が身を守るために生み出している色素や苦み、辛味といった部分に特に多く含まれている、まさに植物の生きる力そのものです。土や空気、水に直接触れる皮にも多くのファイトケミカルスが含まれているので、比較的安心して皮まで食べられるオーガニックの野菜や果物なら、効率的かつ安全にファイトケミカルスを摂ることができるといえそうです。

オーガニック栽培は世界規模で増加しており、日本でも農林水産省が有機農業を推進しています。オーガニック野菜を選ぶことで、地球環境に貢献できる上に、パワフルなファイトケミカルスが摂れて、自然にも自分にもうれしいことばかり。毎日の生活にオーガニック野菜を積極的に取り入れていきたいですね。

【参考文献】


  • 農林水産省 広報誌『aff』2010年5月号(農林水産省)
    Cambridge University Press『British Journal of Nutrition』2014
  • 祥伝社『野菜とくだもののパワー ファイトケミカルスできれいになる本』
  • 日本オーガニック・コットン協会『世界の有機農業のレポート 2016』

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