軽食と紅茶を一緒に味わうイギリスの文化「アフタヌーンティー」を楽しむ機会も増えてきて、紅茶の人気が高まっていますね。紅茶の魅力や「完璧な紅茶の作り方」もすべて伝授します!
中国からイギリスにお茶が入ってきたのは、17世紀半ばのこと。まだ一般に認知されていなかった紅茶を売るために、宣伝文句として押し出されたのは意外にもその味ではなく「薬効」。大英博物館に保管されている当時の広告を見るとその項目は20にものぼり、そこには「①頭痛、めまいをなくす ②強壮作用がある ③整腸作用 ④肥満の防止 ⑤視力の改善…」など、一見まゆつばものでは!? と思うようなことまで並んでいます。
実際に紅茶の効能は注目すべき点がたくさんあります。
紅茶の3大成分
- タンニン
紅茶の味やきれいな色の元になるタンニン。タンニンはあらゆる植物に含まれているのですが、紅茶は発酵過程においてタンニン量が増加するために、ほかのお茶に比べても効率よくタンニンを摂取できるんです! - カフェイン
カフェインというとコーヒーのイメージが強いですが、抽出量1gずつで比べると紅茶の方がコーヒーよりカフェイン含有量が多いのです! - アミノ酸
うまみの素であるアミノ酸。アスパラギン、アルギニン、グルタミン酸などが含まれています。
紅茶には中性脂肪を分解したり、コレステロールの濃度を下げたり、血糖値を下げたりするなど、さまざま効果が期待できます。また、紅茶は大腸菌に対して強い殺菌力を持っています。食中毒が気になる季節には紅茶をよく飲みたいものですね。
そのほか、紅茶は胃液の分泌を促進するので食欲もわいてきたり、体内の窒素やエネルギー代謝に関わりが深く、疲労回復なども期待できるのです。なんだか、紅茶が飲みたくなってきますよね。
紅茶を飲むときにできるちょっとした工夫って?
日頃何気なく口にしている紅茶だから、ちょっとした工夫でさらに有効活用してみましょう。
- 運動前に飲む!
紅茶は中性脂肪を分解する力があるとお伝えしましたが、紅茶を飲んだあとに軽く運動を入れることで、よりその効果をアップさせることができます。出勤前に飲んで、一駅分歩いていくのもオススメです! - 食事と一緒に飲むときはホットティーで♪
紅茶というとケーキや焼き菓子と一緒に楽しむイメージが強いですが、紅茶は口の中の油分を分解してくれるので、肉料理にもぴったり。よくディナーでは赤ワインと肉料理を合わせますが、これも赤ワインに含まれるタンニンと肉の相性が良いために親しまれている組み合わせなんです! アイスティーでは油分を固めてしまうので、食事と合わせるときはぜひホットティーを組み合わせてくださいね。
せっかくだからおいしく飲もう!
英国王立化学協会が発表した「一杯の完璧な紅茶のいれ方10か条」をご紹介します。
用意するものは、茶葉、お水、新鮮な牛乳、白砂糖、やかん、ポット・カップ(陶磁器)、細かい目のストレーナー、ティースプーン、電子レンジです。
- やかんに新鮮なお水を注ぎ、火にかける。
- 湯が沸くまでの間、ポットにも熱湯を入れ温めておく。
- やかんの湯が沸いたら、加熱したポットから湯を捨てる。
- カップ1杯あたりティースプーン1杯の茶葉をポットに入れる。
- 沸騰したお湯を茶葉めがけて勢いよく注ぐ。
- 蓋をして3分間蒸らす。
- カップは大きめのマグカップが理想的である。
- 先にカップへミルクを注ぎ、あとからストレーナーを使って紅茶を注ぐ。おいしそうな色合いを目指す。
- 砂糖は好みで適量。
- 60~65℃がちょうど紅茶が飲みやすい温度。
あま~いミルクティにして飲むのが本家英国流。ここまでやるのは大変すぎる…という方は、ぜひ「3分間蒸らす」という部分だけでも徹底して、紅茶の風味をあますことなく楽しんでくださいね!
【参考文献】
- 磯淵猛 『紅茶の教科書』 新星出版社
- 一般社団法人食品産業センター「機能性成分・活用性等調査」
- http://www.shokusan.or.jp/sys/upload/598pdf2.pdf)
- 国立栄養・科学研究所
- 「健康食品の素材情報データベース, アスパラギン酸」
- http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail598lite.html