「健康にいい食材」として長く愛されている玄米。でも炊くのが面倒そう、ぱらぱらしておいしくなさそうといったイメージを持っている方もいるのでは。近年のマクロビオティックやローカーボダイエットなどのブームで再びスポットライトが当たっている玄米について、詳しく見てみましょう。
意外と新しい玄米の歴史
玄米は、籾すりで籾(もみ)から籾殻(もみがら)を除去した、白米に精米する前のお米です。というと、精米技術の高くなかった昔は玄米を食べていたんだろう…と思われる方もいるかもしれませんが、実は玄米の歴史はあまり古くありません。
日本人が米を常食にするようになったのは奈良時代ころといわれていますが、貴族など一部の身分の高い人たちが白米を食べる一方、庶民は黒米と呼ばれた精白度の低いうるち米を食べていました。
昔の人々が玄米を食べていなかった理由には、ひとつは籾すりや精米技術の未発達によって今でいう玄米の状態にはできなかったことと、玄米ができたとしても、炊くのに白米以上の薪が必要だったらといわれています。
玄米パワーはその栄養価の高さにあり
さて、それでは現代社会で玄米が注目を浴びている理由は何でしょうか。そのひとつが栄養価の高さにあります。精米された白米に比べてビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
現代人に不足しがちな栄養素としてよく挙げられる食物繊維。100gあたりに含まれる食物繊維は、精白米が0.3gであるのに対して、玄米は1.4gと5倍近くにもなっています。厚生労働省が推奨する食物繊維の摂取量は18歳~69歳女性で18g以上とされているので、玄米ご飯一膳(160g)に含まれる食物繊維は、1日の目安量の約1/8ということになります。
また、ビタミンB1は玄米が精白米の8倍以上と、こちらもとても豊富。疲労回復に欠かせないビタミンB1が多く含まれるとあっては、お疲れ気味の現代人にピッタリな食材と言えるでしょう。
「しっかり噛む」を促進する玄米
玄米を摂るメリットは栄養価以外にもあります。もちもちとした食感の白米比べて、プチプチとした歯ごたえがある玄米は、咀嚼を促します。実は白米に比べて消化が悪い玄米はしっかり噛む必要があります。もぐもぐと噛むことで満腹感が得やすくなるため、ダイエットにもひと役買うというわけです。
特に柔らかいものを食べる機会が増えている現代人にとって、「よく噛むこと」は口腔内の健康維持にも役立ちます。小学校給食に玄米食を導入する学校もでてきており、栄養の摂取以外にしっかり噛む練習にもなっているようです。
いつも食べている白米の代わりに玄米を…と考えられることが多いですが、玄米の食感を活かした新たなメニューで食卓に取り入れるのもお勧めです。今回は和食はもちろん、パン食ともマッチする玄米を使ったサラダをご紹介します。
ヘルシー玄米サラダ
材料(4人分)
- 玄米 1カップ
- パプリカ(赤・黄) 各1/4個
- レッドオニオン 1/4個
- 白いんげん豆(水煮) 100g
- トマト 1個
- ロースハム 2枚
- グリエールチーズ 30g
- パセリのみじん切り 適宜
- ケッパー 大さじ1・1/2
- 水 2L
- 塩 適宜
- オリーブオイル 適宜
(ドレッシング)
- オリーブオイル 大さじ3
- ワインビネガー 大さじ1/2
- レモン汁 大さじ1/2
- バルサミコ酢 少々
- 塩 / こしょう 適宜
作り方
- 6Lシチューパンに水を入れ、沸騰したら塩、一晩水に浸けた玄米を加えてかき混ぜ、アルデンテにゆで上がるまで、18分間ほど火を通す(お好みで時間を調整して下さい。)。
- 1をざるに上げ、水気をきり、バットに移し、オリーブオイルをふり冷ましておく。
- .パプリカは3mm角切り、レッドオニオンはスライスし、トマトは角切り、ロースハムとグリエールチーズは千切りにする。
- ボウルに2の玄米、3、白いんげん豆の水煮、ケッパー、パセリを加え、さらにドレッシングの材料すべてを加えて混ぜ合わせる