大人にとってお酒はコミュニケーション手段でもあり、日常の中の1つの楽しみでもあります。でも楽しいからと、飲み過ぎてしまっては健康に良くないかもしれません。どれぐらいが適当なのか、厚生労働省が推奨している適切な飲み方や摂取量があります。今回は、お酒の摂取方法について学んでいきましょう。
アルコールは体に悪いのか
飲酒後の血中アルコール濃度のピークは、30分~2時間後。個人差は大きいものの、アルコールの分解には男性でおよそ2.2時間、女性で3時間程度かかります。
アルコールと健康リスクにはさまざまな関係があります。例えば、高血圧や脳出血、乳がんなどはアルコール摂取量が多い人ほど健康リスクが高まります。一方で、脳卒中や2型糖尿病などは、アルコールを摂取しない人に比べて少量摂取者の方が健康リスクは低くなります。ところが、摂取量が少量から大量へ増えるにつれ、リスクが上がっていく、という「Jカーブ」を描くのです。
節度ある「適切な飲酒量」であれば健康リスクが大幅に高まることはないようですね。
どれくらいの量を飲むのが適切なの?
厚生労働省は、節度ある適切な飲酒を「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である」としています。
- ビール中ビン……1本
- 日本酒……1合
- チュウハイ(7%)350mL缶……1本
- ウィスキーダブル……1杯
以上に相当する摂取量です。
一般的に、男性に比べて女性の方がアルコールの分解速度が遅いので、女性はこれより少ないくらいが目安になります。日常的にこれ以上のアルコール量を摂取しているという方は、注意が必要でしょう。
体に良いお酒の飲み方とは
女性や高齢者の方、お酒を飲むと顔や体が赤くなってしまう方は、アルコールの摂取はなるべく少なめの方が良いでしょう。空腹時に飲むことや、一気飲みは血中のアルコール濃度を急速に高めます。お酒は食事と一緒にゆっくりと飲むのが良いでしょう。また、水と交互に飲むのもおすすめです。
「お酒を飲むと寝られるから」といって、寝酒はあまりよくありません。アルコールは睡眠を浅くするため、健康的な深い睡眠を得るためには寝酒をしないようにしましょう。また、入浴前や運動後など、脱水気味の時はアルコールを飲まない方がよく、薬と一緒に飲んだりすることは厳禁。絶対にやめましょう。
飲酒自体は必ずしも悪いこととではありません。適切な量をゆっくりと飲むことで、健康に良い作用を与えることもあります。だからといって毎日飲むことはせず、必ず週に2日は休肝日を置きましょう。お酒と上手に付き合って、より良い大人のコミュニケーションを楽しんでくださいね。
【参考文献】
厚生労働省 HP