美容や健康に良いとされているヨガ。ある調査によると、ヨガ経験者のうちの約7割は女性だそうです。特に女性からの興味・関心度の高いヨガですが、未経験者の中には「やってみたいけど体が硬くて恥ずかしい」、「どんなメリットや効果があるのかわからない」などと、なんとなく疑問や不安を感じている人もいるかもしれません。
そんなヨガ初心者さんに向けて、ヨガのメリットや始めるコツなどをご紹介します。
一般社団法人 日本ダイエットスペシャリスト協会理事長
健康運動指導士
生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値に着目し、低インシュリンダイエットを提唱。主な活動として、各健康保険組合・企業・各都道府県での講演活動、雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けている。
◆一般社団法人 日本ダイエットスペシャリスト協会 公式ホームページ:https://jdsa.co.jp/
人・時間・場所を選ばないヨガ
日本にはヨガを月に1回以上行っている人が推定約590万人もおり、男女共に幅広い年齢層から支持されています。その魅力は、自分のペースでできることと、最初にヨガ教室などでやり方さえマスターすれば、フィットネスジムなどに行かなくても、いつでもどこでもポーズをとれることにあります。さらに、自然の中で行えば癒し効果もバツグンです。
また平日の夜にヨガをする人が多いという調査結果から、自宅でも気軽に続けられる運動とも言えます。就寝前などに行えば、リラックスしてよく眠れるようになりますよ。
ヨガは体にも心にも効果的
ヨガには、「運動不足解消」や「体調管理」、「美容や体型維持」などの肉体的な効果のほか、「ストレス発散」や「リラックス効果」などの精神的な癒しが得られるといったメリットがあります。心と体の緊張を解いて、精神的にも肉体的にも安定すれば、心身ともにバランスのとれた健康的な状態をキープできると考えられているのです。
また、ヨガをはじめとした「マインドボディー運動療法」と呼ばれる運動には、ストレスやダメージに関連する遺伝子にまで良い影響を与えるとする論文も発表されています。この論文によると、複数の研究において「(ヨガなどの)運動をすることで、ストレスを受けたときに活性化するダメージに関連するタンパク質が減少した」と書かれており、運動には体内のダメージを抑える可能性があることが示されています。
心にも体にも良いヨガは、長くやり続けることでより効果が得られます。少しずつでも何か続けられる運動を始めたいと考えているなら、ヨガを選択してみても良いかもしれません。
ヨガはこんな人におすすめ
ヨガは、体力に自信がない、冷えやむくみ、肩こりなどが気になる、ストレスを抱えている、リラックスできる時間が欲しいと感じている人におすすめです。体の柔軟性を高め、体幹を鍛え、血流をよくして発汗や老廃物の排出を促すなどのうれしいメリットがたくさんあります。体が硬い人でも、続けていくうちにだんだんと体が柔らかくなるので安心してください。
また年齢を問わず誰でもチャレンジできるのも、ヨガが選ばれる理由のひとつです。深呼吸しながらゆったりと行えば、ストレスフルな日々から解放されますよ。
ヨガは、年齢や体力・柔軟性の有無にかかわらず、誰もが取り組みやすい運動です。肉体的にも精神的にも働きかけるため、心身の安定とバランスを整えるのに役立ちます。副交感神経を優位にしてリラックスさせる効果があり、1日の終わりに行えば、その日の疲れをリセットすることができるはずです。
ヨガは腸活にもつながる
腸活のカギは腸内細菌のバランス
腸内には、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つのタイプの菌が生息しています。腸活において大切なことは、善玉菌の割合を悪玉菌よりも優勢にすることです。腸内で悪玉菌が増え過ぎると、毒素が生成され、体のコンディションが低下してしまいます。
そのため、健康な毎日のために「悪玉菌を増やし過ぎないこと」はとても大切です。腸活によって善玉菌の働きが活発になれば、健康的なコンディションを維持することができます。
腸内細菌のバランスを整えるには?
腸を整えるためには、「バランスのとれた食事」や「十分な睡眠」、そして「適度な運動」が必要です。そこでおすすめしたいのが、運動不足の方でも無理なく取り組めるヨガ。ゆっくりと呼吸を行いながら体を動かすため、運動が苦手な方も挑戦しやすいはずです。
また、腸の働きは副交感神経が優位になる際に活発化するとされています。そして、深呼吸は副交感神経を優位にすることがわかっているため、ゆっくりと息を吸いながらヨガを行うことで、腸活に良い効果を期待できるでしょう。ポーズによってはお腹に圧がかかるため、マッサージのように腸へのほどよい刺激になる可能性があります。
ヨガ初心者におすすめのポーズ
猫のポーズ
- ① 両手・両ヒザを床につき、四つん這いになります。
- ② ゆっくりと息を吐きながら両腕を伸ばし、背中を天井に引き寄せます。
- ③ 頭を下に向け、おへそを見ながらゆっくりと5回深呼吸します。
- ④ ゆっくりと①の体勢に戻ります。
橋のポーズ
- ① 両ヒザを立てて仰向けになります。
- ② 足を肩幅に開いて、かかとをお尻のほうに近づけます。
- ③ ゆっくりと息を吸いながら、足の裏で床を押し出すようお尻を上げます。
- ④ 息を吐きながらお尻を下げます。
- ⑤ ③~④の動きを5回程度繰り返します。
コブラのポーズ
- ① うつ伏せになって足を腰幅に開き、かかとを天井へ向けます。
- ② 手は脇を締めて胸の横あたりに置き、ゆっくりと息を吸いながら頭を起こします。
- ③ そのまま上半身を起こしていき、肩が上がらないよう注意しながら、腕の力で体を支えます。
- ④ お腹を伸ばすことを意識しながら、③の姿勢を10秒間キープします。
ガス抜きのポーズ
- ① 仰向けに寝て、両ヒザを抱えます。
- ② ゆっくりと息を吐きながら、両腕でヒザを胸に引き寄せます。
- ③ そのまま上体を起こし、太ももを下腹に押しつけるようにしながら、お尻を持ち上げて5回深呼吸します。
- ④ 元の体勢に戻り、息を吸ったら②~③を繰り返します。
船のポーズ
- ① 床にヒザを立てて座り、両手は体の後ろにつきます。
- ② 両足のすねと床が平行になるように、片足ずつ持ち上げます。
- ③ 両手を太ももの裏に添えて、ゆっくりと5回深呼吸します。
ヨガを行う際の注意点
ヨガ初心者の方は、無理せず自分の体と相談しながら実践しましょう。また、ヨガに限らず、食後すぐの運動は避けるほうが無難です。持病がある方や、妊娠中の方は医師と相談の上でヨガを行うようにしてください。