夏場は熱中症対策であんなに水分をこまめにとっていたのに、冬になると何か飲みたいと感じることが少なくなって、そういえば水分をあまりとっていない…という方も多いのでは?
実は冬こそ健康な毎日を過ごすために水分補給をし、体内からケアすることが大切なのです!
体の半分以上は水でできている!?
人間の体は約60%を水分が占めています。例えば体重50kgの人の場合、約30kg分となり、体の半分以上が水分ということになるのです。
普通に生活しているだけでも1日に尿や便、汗などで2.5ℓもの水分が失われています。それに対して食事中に摂取する水分や体内で作られる水の量は1.3ℓ。水分補給をしないと1.2ℓが不足していることになるのです。
水は体温調節や不要な物質の排泄など、体内でさまざまな役割を担ってくれています。冬は夏ほど汗をかかないため水分補給を怠りがちですが、基本的な水分の排出量は季節によってほとんど変化しません。不足する水分を補うためにも、日ごろから積極的に水分をとることは重要なのです。
水分補給で風邪対策!
寒くなってくると、風邪やインフルエンザの話題をよく耳にするようになりますよね。
風邪の予防策の代表的なものとして、うがいや手洗いが挙げられます。そして、意外と知られていませんが、実は「水分補給」も大事な予防手段のひとつです。
のどや鼻の粘膜には、線毛という細かい毛がびっしりと生えていて、その周りは線毛間液と外層粘液で覆われています。のどや鼻から入ってきたウイルスは、この線毛と粘液の働きによって体外へ排出されますが、体内が水分不足になってしまうと線毛間液が少なくなったり外層粘液の粘度が上がったりするため、ウイルスを排出する機能が低下してしまいます。このため、線毛と粘液が正常に機能するように保つことが予防となるのです。
冬場は気温と湿度が低くなり、ウイルスにとっては活動しやすい状況が整っています。不足した水分を意識して摂取して、のどや鼻の粘膜を常に潤すことで、入ってきたウイルスを排出できるようにしておきましょう。
水分補給の習慣で快適ライフ
食事のとき以外は、のどが渇いたときだけ何か飲み物を飲むという方も多いのでは?
しかし、のどが渇いたなと思ったときはすでに「脱水」が始まっているサインです。渇きを感じる前に、こまめに水分補給をすることを心がけましょう。
さらに12月は、忘年会などで何かと飲酒する機会が増えるシーズン。アルコールは利尿作用があるため、実は飲めば飲むほど体から水分が減って、脱水状態を起こしかねないのです。体内の水分量が少ないまま翌日を迎えると、体内でアルコールから分解されたアセトアルデヒドが蓄積されて二日酔いになったり、脱水の影響で新陳代謝が悪化してむくんでしまったりします。
それらを防ぐためには水の補給が欠かせません。乾杯の前にコップ一杯の水を飲んだり、飲酒中に同量の水を摂取したりするなど、水分をしっかり補給することを心がけましょう。
【参考文献】
- 全国健康保険協会 ホームページ
- 『中日新聞』2012年12月19日朝刊(中日新聞社)