ビタミンCというと「レモン」、「酸っぱい」、「お肌にいい」、「元気がでる」、「ビタミンカラー」、「黄色」などを連想しますね。実際のビタミンCは黄色ではなく白色なのですが、レモンそのもののイメージと重ねられたことでいわば、黄色やレモンがビタミンCの代表となっているのかも?
「とにかく体にいいから、できるだけたくさん!」というイメージを持っている人が多いかもしれません。知っているようで、実はよく知らないビタミンCについてお話します。
知能が高いとビタミンCを生成できない!?
ビタミンCが「体にいい」というイメージは間違っていません。ビタミン C は、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用をもつ栄養素です。ビタミンCをふくむ野菜など新鮮な食料が不足しがちな大航海時代の船旅で壊血病になった船員が多数いたことから、人間はビタミンCを食べ物から摂取しないといけない、という認識がひろがりました。そこでビタミンCなどをふくむ新鮮な食べ物の重要性が注目されるきっかけになりました。
それほど大切なビタミンCですが、犬や猫など、ほとんどの哺乳類はブドウ糖を元にして体内で作ることができるのです。だから特別にビタミンCの摂取に気を付ける必要がないのです。
それに対して、人間(ホモサピエンス)、サルは自力でビタミンCを合成できません。大昔、一部のサルはビタミンCを生成することができましたが、そうしたサル達はいつのまにか淘汰されてしまいました。哺乳類の中でも、知能の高い人間とサルは、食物確保が巧みで、食物からビタミン類を上手に摂取できるようになったために体内で生成する必要がなくなったとも言われています。
人間やサルが進化する過程でビタミンCの生成能力をなくした科学的な理由については、まだまだミステリーですが、ビタミンCが体内で自動的に作れれば便利だったのに、ちょっと残念ですね!
昨日、野菜をたくさん食べたから、今日はファーストフードでOK?
では私たち人間は必要量のビタミンCをどんな風に摂取したらいいでしょうか。「レモン50個分のビタミンC」というのは耳慣れたフレーズですね。それぐらい一気に摂ったら、より体にいいような…?
厚生労働省の食事摂取基準で定められている一日に必要なビタミンCは100㎎ 。これはレモン約5個分です。つまり、ビタミンCは水溶性で体内に蓄積できないので、一度に大量に摂取しても余分な量は体外に排出されてしまします。「貯め食べ」はできないのですね。
毎日できれば三度の食事の中で、ちょっとずつでも毎回ビタミンCを欠かさないように摂取するのが理想的。もし忙しく軽食になってしまった時にはサプリメントなどからも摂取できれば、手軽に必要なビタミンCをキープできそうです。
ビタミンCの働きには抗酸化作用もあります。ストレスや飲酒などで体内に過剰に増えてしまった活性酸素はさまざまな体の不調や老化につながります。抗酸化作用をもつビタミンCを摂取して、すこやかな毎日をおくりたいですね。
ビタミンCたっぷりのパプリカで「赤パプリカとラディッシュのピクルス」
パプリカのビタミンC含有量は、170mg/100g とお野菜の中でもダントツ。シンプルなレシピでビタミンC補給しましょう。
材料
ラディッシュ 10個(80g)
赤パプリカ 1個(150g)
A
- 米酢 100cc
- 水 50cc
- 塩 小さじ1/4
- 砂糖 大さじ2
- ローリエ 1枚
- 粒こしょう 小さじ1/2
作り方
- 赤パプリカは1.5cm角に切る。ラディッシュは葉を切り落として縦半分に切り、よく洗う。
- ソースパンにをすべて入れて中火で加熱する。煮立ったら(1)を加えて1分ほど全体を混ぜながら煮る。
- 保存容器に移し、粗熱が取れたらフタをし、冷蔵庫で保存する。一晩以上漬け込む。
【参考文献】
- 石神昭人 著 『ビタミンCの事典』 東京堂出版
- 厚生労働省 HP