春になり、暖かくなってくると気になり始めるのが紫外線ですね。真夏の直射日光がじりじりと肌を射すようになると、紫外線を“体感”しているように感じますが、実は紫外線の照射量のピークは5月ころから。照りつけるような太陽光線ではなくても、紫外線は急激に増えているのです。紫外線について知ることで、賢く紫外線対策をしましょう。
紫外線の種類
太陽光線にはA波、B波、C波と呼ばれる3種類の紫外線が含まれています。C波はオゾン層にさえぎられて地表にはほとんど届きません。A波はほとんどが地表に届き、B波はC波と同様、オゾン層などの影響を受けるものの、一部は届きます。B波、C波は地表に届く量がオゾン層の変化の影響を受けることになります。一方で、オゾン層や雲などの影響を受けにくいA波は、曇りの日もほぼさえぎられることなく降り注いでいるということです。
肌の老化を加速させる紫外線
それでは、なぜ紫外線対策が必要なのでしょうか。海や山、スキー場など屋外のスポーツで肌が赤くピリピリと痛むような日焼けをしたことはないでしょうか。これをサンバーンと呼び、その後肌にメラニン色素が生成されて黒くなることをサンタンと呼びます。それらの原因は紫外線B波の影響で、B波は「レジャー紫外線」とも呼ばれています。
一方で「生活紫外線」と呼ばれているのがA波です。B波のような急激な作用を起こさない代わりに、肌の奥にまで到達してじわじわと細胞にダメージを与えます。肌細胞が破壊されると、肌本来の機能が低下してハリが失われしわやたるみの原因となります。つまり、紫外線には肌の老化を加速させる作用があるということです。
鹿児島県は年間紫外線量が秋田県の2倍あります。鹿児島県と秋田県の女性の肌を比較したとき、鹿児島県の女性の方が顔の色は黒く、しわの数が多いというデータがあります。また、シミやしわについては、鹿児島県の女性の方が肌年齢にして5~15歳も加齢が進んでいることがわかっています。
紫外線によって増える、老化の原因とは
皮膚に紫外線があたったときに発生するのが活性酸素です。メラニン色素には、紫外線を吸収・拡散する役割があります。つまり、私たちの体は紫外線による活性酸素から肌を守るために、メラニン色素を生成しているのです。この時大量に紫外線を浴びると大量のメラニン色素が生成されること色素沈着が起きやすくなり、これがシミの原因になります。
また、活性酸素は真皮の細胞と細胞をつなぐ成分を傷つけ、コラーゲンやエラスチンといった肌のハリを保つのに必要な成分を壊してしまうため、しわやたるみといった肌老化の原因になるのです。
強い紫外線を防ぐには、帽子やサングラスなどで物理的に紫外線をカットしたり、日焼け止めを使うことが有効です。紫外線による「光劣化」から皮膚を守り、若々しい肌をキープしましょう。また、活性酸素対策には、ビタミンやファイトケミカルスの含まれた野菜を多く摂るなど、日ごろの食生活がカギになります。
【参考文献】
紫外線が人体に及ぼす影響について
紫外線健康保険マニュアル 2015 環境庁
紫外線が人体に与える影響 内閣府沖縄総合事務局