朝は簡単に履けたブーツが、夕方には足がむくんできつい!そんな経験はありませんか?さらに、むくむだけでなく、同時にだるさを感じることも。むくみの原因とは一体何なのでしょうか。その原因と対処法についてご紹介します。
むくみの正体は重力に逆らえない体内の水分
厚生労働省による「平成22年国民生活基礎調査」では、足のむくみを感じていると答えた男性が15.1%なのに対して、同じように答えた女性は全体の42.4%にものぼっています。このように、女性特有の悩みともいえる“むくみ”の正体は、細胞と細胞のすき間に溜まった過剰な水分。この余分な水分が、皮下に溜まってしまう症状を「むくみ」と呼ぶのです。
男性は筋肉がポンプの役割をして体全体に水を運びますが、女性や高齢者は余分な水を血管に戻すだけの筋力がないことがほとんど。そのため、女性は男性よりも体内の水分バランスが調整できず、むくみに悩む人が多いといわれています。
また、仕事の特性上足の筋肉をまったく使わない時間が続けば、静脈の流れが悪くなり皮下の水分が血管に戻りにくくなった状態もむくみを引き起こします。そうして溜まった水分は重力に逆らえず、膝下やまぶたなどの皮下組織の少ない部分、骨と皮が近い部位などに、むくみとして現れます。その他、体内に水分をためやすい生理前、生理中には症状が顕著に出ることがあります。
食事や運動など生活習慣を変えて根本からむくみ対策を
食生活や生活習慣を変えてむくみを改善することが可能です。まず塩分の多い食事は、ノドが渇いてしまい、水分の過剰摂取でむくみの原因となるので気を付けましょう。一方で、塩分過多を防ぎ、体内の水分量を調整する作用がある「カリウム」は積極的に摂取したいもの。カリウムは、アボガドや切り干し大根、納豆、ほうれん草などに多く含まれているので、意識して摂るようにしてください。また、適度な運動で筋力をアップすることもむくみ改善につながります。ウォーキングはもちろんですが、意識的に階段を利用したり、一駅分は歩くなど、少し意識するだけでも効果的です。
今すぐむくみを解消したい!手軽なむくみ対策
手軽にむくみを解消するには、心臓よりも足が下にあり重力の影響を受ける状態を改善する必要があります。可能ならばイスを2つ用意し、一方のイスにクッションを置いて少しだけ高くして、足を乗せて一時間に一度休憩するだけでもむくみ解消に効果的です。また、立ち仕事の合間に靴を履いたままつま先立ちなどの「足首の運動」もむくみ解消を促します。
そのほか血管を支える働きもあり、肌のためにも、体そのもののためにも、なくてはならない成分なのです。
むくみの原因には病気が隠れている場合も
多くの人が悩んでいるむくみですが、その原因には重大な疾患が隠れていることもあります。心臓のポンプ機能が低下していれば、血液の流れがスムーズにいかず足がむくみます。また、肝硬変による腹水や甲状腺の病気の症状としてむくみが現れることも。年中むくんでいたり、むくみのほかに夜間の呼吸困難(心疾患)や黄疸(肝疾患)などの症状がみられる場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
【参考文献】
厚生労働省 「平成22年国民生活基礎調査」
メディカルトリビューン『むくみ体質をあきらめない』著者:平井正文、廣田彰男、中村正人、鈴木加余子
PHP研究所『老廃物を流して、むくみ解消・免疫力UP!リンパマッサージ健康法』著者:大橋俊夫、佐藤佳代子