感染症予防、花粉予防、保湿、防寒、掃除作業の防塵…マスクはさまざまなシーンで利用されますが、それぞれの目的に合ったマスクをきちんと選べている人は少ないことでしょう。
今回は、マスクにはどんな種類があるのかなどを踏まえて、目的に合ったマスクの選び方をご紹介します。
マスクの種類は利用シーンによって3つに分けられる
マスクの種類は「医療用マスク」「産業用マスク」「家庭用マスク」の3つに分けられます。家庭用マスクは感染症対策や花粉対策、防寒・保湿などの目的で一般的に使われているマスクです。サイズや形状、素材や色も豊富で、フィルター性能と通気性のバランスが良いため、長時間の使用も快適です。
以上3種類のマスクを紹介しましたが、日常生活で主に使われるのは家庭用マスク。ここからは家庭用マスクの素材や構造の違いをさらに細かくご紹介します。
家庭用マスクの素材の違いは?
家庭用マスクの素材は一般的に「ガーゼ」と「不織布(ふしょくふ)」があります。
- 不織布(ふしょくふ)
繊維あるいは糸等を織ったりせず、熱や化学的な作用によって接着させて布にしたものです。粒子捕集性や通気性に優れています。市販されている家庭用マスクの約97%が不織布製で、値段が安く、使い切りを前提にしています。 - ガーゼ
綿織物を重ね合わせたマスクです。最近では中に特殊なフィルターを縫い込んで、花粉などの通過を防ぐものも。洗って繰り返し使うことができて経済的ですが、感染症予防で使用する場合は消毒が必要なので少し手間がかかります。
家庭用マスク、形状の違いが3種類
マスクの形状の種類は大きくわけて3つです。 ガーゼマスクは平型が一般的で、不織布マスクの形状はプリーツ型と立体型があります。
- 平型マスク
一般的なガーゼマスクといえる平型マスクは、高い保湿性と保温性が最大の魅力です。睡眠時やエアコンの効いたオフィスで喉を守るのに役立ちます。綿を使用しているため、肌に優しいのも特徴です。 - プリーツ型マスク
マスクの前面がプリーツ状になっているタイプは、プリーツの伸縮性を生かし、それぞれの顔の形にあわせることができます。すき間ができにくく、顔にフィットさせることができ、口の動きに柔軟に対応するのでマスクをしたまま話してもずれにくいのも大切なポイントです。マスクと口の間に空間があり、呼吸がラクにおこなえるので圧迫感を与えません。 - 立体型マスク
顔の形に合うよう立体的にデザインされているタイプ。マスク表面が口元に接しないため、メイクがマスクにつきにくいことは女性にとっては嬉しいポイントです。ただ伸縮率があまりないため、サイズが合わないと調整しにくいことも。
もっとも効果的なマスクの着用法は?
マスクは隙間があると花粉やウイルスが侵入するため、十分な効果が得られません。鼻のかたちにあわせる機能であるノーズフィッターがあるものを選んだり、あご、頬のラインにすき間ができないように、マスクをピッタリと顔にそわせます。プリーツタイプなら、上下に伸ばして顎まですっぽりと覆いましょう。
また、マスクを着用しているとのどや鼻への保湿効果が期待できます。のどや鼻が持つバリア機能は乾燥状態ではダウンしてしまいます。マスクを使って、のどや鼻を守りましょう。
マスクは機能も快適さも両方大切
これまでマスクは、値段や見た目で選びがちだった方も多いのではないでしょうか。マスクを正しく選んで、風邪のシーズンも花粉のシーズンも快適に乗り越えましょう。マスクだけでなく、手洗いうがいなども忘れずに!
【参考文献】
- 日本衛生材料工業連合会
- 一般社団法人 日本衛生材料工業連合会 全国マスク工業会
- 厚生労働省HP