ダイエットに関心があるという人は多いでしょう。糖質制限ダイエットやカロリー制限ダイエットなど、これまでさまざまなメソッドがブームを巻き起こしてきました。そんな中、昨今じわじわと注目を集めている「ケトジェニックダイエット」をご存じでしょうか?
ダイエット≒空腹に耐え続ける、というイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし、「ケトジェニックダイエット」ではそんな苦しさもほとんど感じることがないのが最大の魅力です。そんな新感覚の「ケトジェニックダイエット」についてご紹介しましょう。
そもそもケトジェニックダイエットって何?
「ケトジェニックダイエット」とは、炭水化物(糖質)の摂取をできるだけ抑え、高脂肪の食品をメインに摂るダイエットのことです。いわば「高脂肪&低炭水化物」という食事法。
具体的には、1日の炭水化物の摂取量を約50g以下に抑え、肉や卵、魚介類、ナッツ、油、バター、種、チーズ、野菜(糖質やデンプンを含まない)などを中心に食べるのが基本です。腹持ちの良い肉や魚介類、チーズや油などの脂肪分を気にすることなく食べられるので空腹を感じにくく、炭水化物を制限しながら満足感を得やすいのも魅力です。2018年のGoogleアメリカ版でもっとも検索されたワードランキング・ダイエット部門では、「ケトジェニックダイエット」が1位に輝きました。
体を脂肪燃焼モードに導くケトーシスとは?
ケトジェニックダイエットは、必要なカロリーの大半を脂肪から摂取することで、体を「ケトーシス」状態にすることが目的です。耳慣れない「ケトーシス」という言葉ですが、通常のエネルギーとして燃焼される炭水化物の代わりに、脂肪をガソリンとして燃やすと考えるとわかりやすいでしょう。
人間の体は基本的に、米や小麦粉といった炭水化物を活動の燃料とします。しかしケトジェニックダイエットでは、炭水化物の摂取を抑えることで、蓄えた脂肪そのものがエネルギー源となるように導いていくのです。低糖質状態になり、脂肪がエネルギー源として使われるようになった体の状態を「ケトーシス」と呼びます。
近年のブームになった「糖質制限ダイエット」や「アトキンスダイエット」は、糖質に加え、脂肪分の摂取も一定の量までと制限されていました。しかし「ケトジェニックダイエット」では、脂肪分も気にせず摂取可能。空腹を感じにくくストレスを感じることが少ないため、長く続けられると注目を浴びています。
しかし、注意点も。ケトジェニックダイエットは身体を追い込む方法であるため、さまざまな副作用が起こる可能性もあります。このことを踏まえ、健康状態が万全な人であっても、実践する場合には、医師やトレーナーなどの専門家の指導のもとで取り組むようにしましょう。
筋トレと併用するとさらに効果大!ケトジェニックダイエット
脂肪を活動のエネルギー源として使う「ケトジェニックダイエット」では、体重の減少に伴って筋肉の量が落ち、基礎代謝が下がってしまうことも少なくありません。そのため食事制限だけでなく、運動を合わせて行い筋肉量の維持を心がけることも大切です。
できるだけ早くダイエット効果を感じたい人は、「筋肉トレーニング」と「有酸素運動」を組み合わせたトレーニングを行いましょう。重いダンベルやバーベルを持ち上げるウェイトトレーニングで基礎代謝アップを狙い、ジョギングやウォーキング、水泳などの有酸素運動で脂肪の燃焼を図るメニューが理想的です。
ただしハードなトレーニングは身体に大きな負担がかかる場合があるので、日頃あまり運動をする習慣がない人や体重が重い人が行う場合は注意が必要。トレーナーと相談してトレーニングメニューを組んだり、しっかりとウォーミングアップをしたりすると良いかもしれませんね。
まとめ
糖質を抑えながらも、脂肪分やタンパク質を気にせずに摂取できる「ケトジェニックダイエット」。炭水化物を制限しながらも、美味しいものを食べられる点が魅力です。夏に向けてスタイルアップや引き締まった体づくりを目指している人は、ケトジェニックダイエットを実践してみてはいかがでしょうか?
【参考文献】
- 出典:山本祐司(2016)「ケトジェニックダイエットがヒト の健康に及ぼす影響について」