人間はバクテリアでできている?!
もし宇宙人が地球に訪れ、人間は何でできているのか分析したとしたら、私たち人間はほとんどバクテリア(細菌)でできているという結論に達するでしょう。実際、単細胞生物(主にバクテリア)は10対1の割合でヒト細胞の数を上回っています (=実際、単細胞生物(主にバクテリア)はヒト細胞の10倍存在しています)。
これらのバクテリア(細菌)は主に私たちの腸に住んでいますが、その他にも口・鼻・肺・皮膚など体のいたるところに住んでいます。それらの様々な微生物群が一緒になって、個々のマイクロバイオーム(注1)は構成されています。これは、指紋やゲノム(遺伝子)と同じように、あなた独自のものです。
ヒトマイクロバイオームの多様性に関する研究は、早くも1680年代に、自身の口腔常在微生物叢と糞便微生物叢を比較した、アントーニ・ファン・レーウェンフックによって始まりました。彼は、これら2つの生息地に住む微生物の間と、さらに、健康な人と病気の人それぞれから採取した各サンプルの微生物の間の、驚くべき違いに言及しました。
明るい未来をもたらすマイクロバイオームの可能性
今日、健康な人と病気の人の異なる微生物叢は、健康状態がもたらす結果ではなく、むしろ病気を引き起こす原因であることが分かってきました。新しい研究では、マイクロバイオーム(微生物叢)を肥満、1型糖尿病、不安病やうつ病などの多くの状態に関連付けています。
もちろん、さらに研究が必要ですが、マイクロバイオータ(微生物叢)(注2)の組成が流動的であり、環境や食事などの外部要因に影響を受けることがあるという事実は、微生物叢を操作することで多くの医学的課題に対して素晴らしい解決策を提供できるという、魅力的な可能性をもたらします。
(注1)マイクロバイオーム(microbiome):ある場所に存在する微生物全体を意味し、ヒト体内の常在細菌とそれが発現する遺伝子群、および常在細菌とヒトの相互作用を含む広い概念を指す。
(注2)マイクロバイオータ(microbiota):微生物の集団