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食物繊維

食物繊維の多い食べ物は?海藻・キノコ・豆類をもっと食べよう!

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2021年11月17日 / 更新:2022年2月16日

食物繊維は、食べ物に含まれ、人間の消化酵素では消化できない食品成分。第6の栄養素といわれることもある食物繊維は、スッキリをサポートし身体環境を整えてくれるため、健康維持の観点から注目されることが多い栄養素です。しかし、日本人は食物繊維の摂取量が足りていないといわれています。そこで、この記事では食物繊維の必要性についてまとめ、食物繊維の多い食べ物について紹介していきます。

監修者 医師・木村眞樹子

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。

日本人は食物繊維不足。その理由とは

食物繊維不足の現状

厚生労働省令が定める積極的に摂取することが望ましい栄養素にもあげられている食物繊維ですが、日本人の食物繊維摂取量は目標量に届いていない現状にあります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日あたりの食物繊維の目標量は、成人男性で1日21g以上、成人女性で1日18g以上。しかし、「平成30年国民健康・栄養調査報告」によると、1日あたりの食物繊維摂取量は20歳以上の男性で平均15.3g、20歳以上の女性では平均14.7gと、目標量を下回っています。最新版である「令和元年国民健康・栄養調査報告」では、日本人の食物繊維摂取量は20歳以上の男性で平均19.9g、20歳以上の女性で平均18.0gと上昇傾向にありますが、それでも成人男性は目標量に届いていません。

食物繊維が足りない日本人の食生活

1950年頃には1人あたり1日20gを超えていた日本人の平均食物繊維摂取量。目標量を上回る食物繊維を摂ることができていたのに、なぜ食物繊維不足の日本人が増えてしまったのでしょうか?

その理由のひとつに、日本人の食生活が変化し、穀類・いも類・豆類の摂取量が減少したことがあげられます。

食物繊維は、魚介類や肉類などの動物性の食べ物にはほとんど含まれず、植物性の食べ物に多く含まれる栄養素です。穀類・いも類・豆類の摂取量の低下、そして野菜不足が、食物繊維不足の大きな原因といえるでしょう。

バランスの取れた食生活で健康な生活を維持するための目標のひとつに「1日350gの野菜を食べる」ことがあげられていますが、日本人の野菜摂取量の平均値は280.5gと約70gも野菜が足りていない現状です。

「令和元年国民健康・栄養調査」によると、野菜を350g以上摂取できている人の割合は、男性で30.1%、女性で26.5%。日本人の約7割が野菜不足です。つまり、日本人の多くは栄養バランスが乱れた食生活を送っており、食物繊維をしっかり摂れていないといえます。

セルロース、アルギン酸など、食物繊維の種類

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維

食物繊維と一口にいってもたくさんの種類が存在し、大きく分けると、水に溶ける「水溶性食物繊維」、水に溶けない「不溶性食物繊維」の2種類に分けることができます。

スッキリとした毎日に導いてくれるというイメージが強い食物繊維ですが、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維では働きが異なります。

水溶性食物繊維は、食習慣を整える働きがあります。また、中高年の健康維持にも効果があると期待されています。

不溶性食物繊維は、水に溶けず、水分を吸収してふくらむ特徴があります。腸内の善玉菌をサポートしてくれる栄養素です。

また、不溶性食物繊維を多く含む食べ物は、固い食べ物や歯ごたえがある食べ物に多く含まれている傾向があります。そのため、よく噛むことで満腹感につながり、食べすぎを防いでくれる効果も期待できます。

水溶性食物繊維の種類

水溶性食物繊維を代表するものとして、ペクチン・アルギン酸・グルコマンナン・アガロース・アガロペクチン・カラギーナン・ポリデキストロースなどがあげられます。

ペクチンは、りんごや柑橘類などの果物に含まれる成分で、ゲル化する特徴があります。ジャムを作る果物として、よくりんごやイチゴが用いられるのは、このペクチンのゲル化する性質を利用しているからです。アルギン酸は、わかめや昆布などの海藻類に含まれる食物繊維で、ヌルヌルとした特徴があります。

水溶性食物繊維には、グルコースを原料としたポリデキストロース・でんぷんを分解して作った難消化性デキストリン、こんにゃくいもから抽出したグルコマンナンなど、加工食品に使用されているものも多く見られます。

難消化性デキストリンは、様々な有用性がある成分としても注目されている食物繊維です。毎日意識して摂取することが望ましいといえます。

不溶性食物繊維の種類

不溶性食物繊維を代表する成分には、セルロース・ヘミセルロース・キチン・キトサンなどがあります。

野菜や豆類に多く含まれるセルロースは、繊維状の形状をした不溶性食物繊維で、繊維として使われることもあります。最近では、ナタデココのような感触が心地良いと、バイオセルロースを使用したフェイスパックが注目を集めていますが、これも実は食物繊維であるセルロースを利用したものです。

カニやエビなどの甲殻類の殻に含まれるキトサンは、食物繊維の中では珍しい動物性の食物繊維です。サプリメントに使用されることも多く、食事をサポートする食品にも使用されています。

毎日食べたい、食物繊維を多く含む食品(一覧表)

食べ物によって、水溶性食物繊維が豊富なもの、不溶性食物繊維が豊富なものと、食物繊維のバランスも異なります。ここでは、食べ物の分類別に、食物繊維を多く含む食品をまとめました。食物繊維を多く含む食べ物をチェックして、毎日の食生活の参考にしてみてください。

〈穀物類〉

食品名 食物繊維(g/可食部100g当たり)
水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 食物繊維総量
こむぎ 小麦はいが 0.7 13.6 14.3
ライむぎ 全粒粉 3.2 10.1 13.3
ライむぎ ライ麦粉 4.7 8.2 12.9
こめ 米ぬか 2.2 18.3 20.5

〈豆類〉

食品名 食物繊維(g/可食部100g当たり)
水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 食物繊維総量
あずき(全粉・ゆで) 0.8 11.3 12.1
いんげんまめ(全粒・乾) 3.3 16.2 19.6
えんどう(全粒・あおえんどう・乾) 1.2 16.2 17.4
グリンピース(揚げ豆) 0.9 18.7 19.6
大豆 おから(乾) 1.5 42.1 43.6

〈野菜類〉

食品名 食物繊維(g/可食部100g当たり)
水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 食物繊維総量
切干しだいこん(乾) 5.2 16.1 21.3
ドライトマト 6.4 15.3 21.7
パセリ(葉・生) 0.6 6.2 6.8
ごぼう(根・ゆで) 2.7 3.4 6.1
オクラ(果実・ゆで) 1.3 3.6 5.2
えだまめ(ゆで) 0.5 4.1 4.6
にら(葉・ゆで) 0.8 3.5 4.3
ブロッコリー(花序・生) 0.9 4.3 5.1
ほうれん草(通年平均・葉・油炒め) 0.8 3.8 4.6
めキャベツ(結球葉・ゆで) 1.4 3.8 5.2
モロヘイヤ(茎葉・生) 1.3 4.6 5.9

〈果実類〉

食品名 食物繊維(g/可食部100g当たり)
水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 食物繊維総量
アボカド(生) 1.7 3.9 5.6
いちじく(乾) 3.4 7.3 10.7
干しがき 1.3 12.7 14.0
レモン(全果・生) 2.0 2.9 4.9
プルーン(乾) 3.4 3.8 7.1
ドライマンゴー 2.8 3.6 6.4
りんご(皮付き・生) 0.5 1.4 1.9
キウイフルーツ(緑肉種・生) 0.6 2.0 2.6
きんかん(全果・生) 2.3 2.3 4.6
いちご(生) 0.5 0.9 1.4
バナナ(乾) 2.0 5.0 7.0

〈キノコ類〉

食品名 食物繊維(g/可食部100g当たり)
水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 食物繊維総量
えのきだけ(生) 0.4 3.5 3.9
生しいたけ(菌床栽培・生) 0.4 4.1 4.6
まつたけ(生) 0.3 4.4 4.7
ぶなしめじ(生) 0.3 3.2 3.5
エリンギ(生) 0.2 3.2 3.4
きくらげ(乾) 0 57.4 57.4

〈海藻類〉※水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は分別していない

食品名 食物繊維(g/可食部100g当たり)
水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 食物繊維総量
焼きのり - - 36.0
まこんぶ(素干し・乾) - - 27.1
粉寒天 - - 79.0
わかめ(原藻・生) - - 3.6
乾燥わかめ(素干し・水戻し) - - 5.8
塩昆布 - - 13.1

〈種実類〉

食品名 食物繊維(g/可食部100g当たり)
水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 食物繊維総量
アーモンド(乾) 0.8 9.3 10.1
中国ぐり(甘ぐり) 1.0 7.5 8.5
くるみ(いり) 0.6 6.9 7.5
ココナッツパウダー 0.5 13.6 14.1
ごま(いり) 2.5 10.1 12.6

摂りすぎは逆効果!? 上手な食物繊維の摂り方

摂りすぎで腸内環境が悪化?

身体環境を整え、健康維持にもつながる食物繊維ですが、身体に良いからと過剰に摂ると、かえって身体に悪影響を及ぼす可能性があります。

特に気を付けたいのは、不溶性食物繊維の摂りすぎです。過剰に摂りすぎてしまうと腸内で便が大きく硬くなり、便秘につながってしまう恐れがあります。

体調などによって量を調整する必要があります。

前述の一覧表を見てもわかるように、ほとんどの食べ物には水溶性食物繊維よりも不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維ばかりを摂りすぎないように注意し、水溶性食物繊維が豊富な、海藻や果物を意識的に摂ると良いでしょう。

また、野菜に食物繊維が含まれていることは事実ですが、実は野菜よりも、海藻・キノコ・豆類のほうが食物繊維の量が多い傾向があります。積極的に食べることで、食物繊維不足の解消につながるでしょう。

食べるタイミングもポイント

果物に含まれる代表的な食物繊維は、水溶性食物繊維のペクチンですが、未熟な果実ではプロトペクチンという不溶性食物繊維です。適熟な果実となることで、食物繊維が不溶性から水溶性へと変化します。不足しがちな水溶性食物繊維を上手に摂りたいのであれば、熟れているか否かなど、食べるタイミングも大切なポイントです。

不規則な食生活はサプリでカバー

食物繊維のおすすめの摂り方は、主食の穀類から摂ることです。主食を玄米ごはん・麦ごはん・胚芽米ごはんに置き換えるだけでも、食物繊維の摂取量は増え、効率的に食物繊維が摂取できます。これに、食物繊維が豊富な海藻・キノコ・豆類などの食べ物をプラスして、1日の食物繊維摂取目標量を目指しましょう。

生活習慣や食習慣によっては、食事だけで食物繊維を摂ることが難しいケースもあるかもしれません。そういった場合には、サプリに頼るのもひとつの方法です。サプリは、手軽に食物繊維を摂れるだけではなく、水溶性・不溶性のバランスも配慮されているものが多く市販されています。

食物繊維は、身体をキレイに整えてくれる存在です。身体が健康であると、気持ちもスッキリと明るいはず。食物繊維を豊富に含む食べ物やサプリを上手に活用して、スッキリとした毎日を過ごしていきましょう。

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