炭水化物を減らす、または全く摂らないといったダイエット法に挑戦中…なんて話を聞きませんか?でも炭水化物は主食なのに、本当にそうしたダイエットをしても大丈夫?
今回は、炭水化物の体への影響を探るとともに、「ニュートリライト ヘルス・カウンセリング」で活躍中のタニタの管理栄養士さんに聞いた、バランスの良いおすすめレシピを紹介します!
本当に必要なの?炭水化物のはたらきにせまる!
炭水化物は、たんぱく質や脂質と並ぶ三大栄養素の1つで、穀類やいも類などに多く含まれています。体を動かすエネルギー源として最も多く必要とされるにも関わらず、人の体内では炭水化物を合成することができません。炭水化物は私たちの体には必要不可欠、食事で摂ることはとても大事なんですね。
では、炭水化物は、一日にどれくらい摂れば良いのでしょうか?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、18歳以上の場合、1日に必要なエネルギー源の内、50~70%を炭水化物から摂ることを目標にすると良いとされています。
1日に必要なエネルギーの量は基礎代謝や活動レベルによって異なります。例えば20代前半の普通体重の女性で、運動量が多くない場合、1日に必要なエネルギーは1,700kcal程度です。このうちの50%として、1日に850kcal程度の炭水化物を摂取すると良いということですね。ちなみに、ごはんお茶碗1杯が200kcal程度です。
体にどういいの?炭水化物が吸収されるメカニズムとは?
炭水化物は体の中でどのようにはたらくのでしょうか。
そもそも炭水化物には糖質と食物繊維の2種類があり、それぞれのはたらきは違います。
糖質は体内で吸収され、エネルギー源として利用されます。糖質は、ブドウ糖や果糖などの「単糖類」、単糖が2つ結合したしょ糖や麦芽糖などの「二糖類」、単糖が数百から数千個結合したでんぷんやグリコーゲンなどの「多糖類」に分けることができます。
炭水化物は食べ物から摂取されたあと、消化酵素によって最小単位である単糖に分解されます。単糖のひとつである「ブドウ糖」は、脳や神経系によって唯一のエネルギー源です。ですから、糖質が足りなくなると、頭の働きが鈍くなってしまいます。また、糖類はたんぱく質や核酸などのもととしても使われます。
もう1つの食物繊維は、エネルギー源にはなりません。しかし、便と一緒に有害物質を出す役目を果たすなど、体調を整える上で重要な役割を果たす炭水化物です。
炭水化物をカットしたら痩せる!? 体に悪影響はある?
炭水化物を必要以上に摂り過ぎてしまうと、中性脂肪となって脂肪細胞に蓄えられます。過剰な場合は肥満になって、やがて生活習慣病を招くリスクがアップします。摂り過ぎている場合は、炭水化物の量を減らすことで肥満を防げると考えられます。 炭水化物はほとんどが糖質です。主食の量が多くなくても、甘いお菓子やくだもので炭水化物を摂りすぎてしまっているかもしれませんね。
しかし、炭水化物が足りないと、エネルギーが不足して疲れやすくなったり、体力が低下したりします。脳の唯一のエネルギー源でもあるので、頭の働きが鈍る影響も考えられます。ダイエット中でも、炭水化物を全く摂取しないということはおすすめできません。
上手な食べ方は、炭水化物を効率よくエネルギーに変えてくれる食べものと一緒に摂ること。豚肉やカツオ、サケ、野菜ならネギやニラ、ニンニクと一緒に炭水化物を摂ることがおすすめです。
また、食物繊維の多い野菜を食べてから炭水化物を摂ると、血糖値の急上昇を防ぐことができるので、余分な脂肪を溜め込みにくくなります。ぜひ今日からお試しください!
炭水化物も摂れて栄養バランスの良いレシピを紹介!
「あじと野菜のピタパンサンド」
材料(4人分)
- 真あじ(3枚おろし):2尾分
- 玉ねぎ(薄切り):1/4個
- パプリカ(赤・黄)(細切り):各1/2個
- ズッキーニ(細切り):1/2本
- 小麦粉:適宜
- エキストラバージン オリーブオイル:適宜
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- 米酢:100ml
- だしの素:大さじ1
- 塩:少々
- 砂糖:大さじ2
- ピタパン:4枚
- リーフレタス:4枚
つくり方
- あじはそれぞれ3等分にそぎ切りし、塩、こしょうし、水気が出てきたら、ふき取って小麦粉をまぶす。
- 大きめのフライパンに多めのオリーブオイルを回し入れ、予熱する。(1)のあじを入れて両面こんがりと揚げ焼きする。
- Aの調味料をミキシングボウルに入れて混ぜ、(2)、野菜を加えてさっと混ぜ、15分以上漬け込む。
- 半分に切ったピタパンに、リーフレタスをはさむ。
彩りも美しく、栄養価も高い夏野菜が食欲をそそりますね。 タニタの管理栄養士さんもおすすめのこのレシピのように、炭水化物を含んだ栄養バランスの良い食事で、健康な体を保ちましょう。
レシピ詳細はこちら↓
https://queen-recipe.jp/recipe/1-1485
※体組成、栄養、生活習慣の3つの視点からひとりひとりの体を詳細に分析しニーズにあったアドバイスをするサービス「ニュートリライト ヘルス・カウンセリング」にて、株式会社タニタの管理栄養士の協力を得ています。
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【参考文献】
- 厚生労働省ホームページ
- 農林水産省ホームページ
- QUEENレシピ+
- 『知識ゼロからの栄養学』(森崎友紀監修/幻冬舎)