すっかり一般的な言葉となった「スーパーフード」。健康や美容に有用な成分を特に豊富に含む食材の総称で、さまざまな食材がスーパーフードとして紹介されたり、見直されたりしてきました。中でもチアシードは早くからスーパーフードとして有名になり、今ではコンビニデザートや市販のお菓子の素材にも取り入れられ、すっかりおなじみとなりました。今回はチアシードの魅力を掘り下げます。
チアシードってなに?
黒くてちいさなつぶつぶした、黒ゴマにも似たチアシードは、主にメキシコなどの南米を原産地とするシソ科の植物チアの種子です。「チア」の語源は「油性の、油っぽい」という意味ですが、マヤ文明では「力」を意味していたようです。シードは「種」の意ですから、チアシードは「力の種」ということになります。
チアシードの粒はとても小さいのですが、種子の約10倍の水を吸ってふくらみます。吸水すると膨らんで、透明なゼリー状の玉の中に黒い粒が入っているようにも見えます。タピオカにも似た食感と無味無臭のクセのない味なので、さまざまな食べ方のアレンジができるのも人気のポイントですね。
チアシードがスーパーフードと呼ばれるワケ
それではなぜチアシードはスーパーフードといわれているのでしょうか。まず、αリノレン酸を豊富に含んでいること。ご存知のとおり、αリノレン酸は体内で作ることのできない必須脂肪酸で、オメガ3脂肪酸のひとつです。また、アミノ酸が豊富なのもチアシードの特長です。人間の体に必要な20種類のうち、体内で合成できないアミノ酸9種類を必須アミノ酸といいますが、チアシードにはこの必須アミノ酸がすべて含まれています。植物性の食材ですべての必須アミノ酸が含まれているのは非常に珍しいことといわれています。
そして、チアシードは種子の3~4割程度が食物繊維でできています。チアシードを水に漬けると周りがゼリー状になります。この部分はグルコマンナンと呼ばれる水溶性食物繊維で、こんにゃくなどに含まれる成分です。水をたっぷり含んでいるので、少量で嵩(かさ)が出て満腹感が得られるのも、チアシードがダイエットに効果があるといわれる理由です。
チアシードは食べ過ぎ注意!?
αリノレン酸が豊富なことからもわかるように、チアシードは決して低カロリーな食品ではありません。チアシードのカロリーは10gあたり約50kcal。バター10gが約70kcalなので、意外と高いという印象ではありませんか?また、チアシードに含まれる食物繊維の比率は、水溶性食物繊維よりも水に溶けない不溶性食物繊維の方が多くなっています。不溶性食物繊維ももちろん必要ではありますが、過剰になるとかえって便秘の原因になるので、これも摂りすぎ注意です。
αリノレン酸の含有量が大さじ1杯で摂取目標値を超えることからも、チアシードは1日大さじ1杯ほどを目安としましょう。水を吸って膨らむのが特徴なので、大さじ1杯でも満足感を得られる量になります。
チアシードは10倍程度の水に10~15分ほどつけるとしっかり吸水します。水につけずにそのまま食べると、胃や腸の水分を吸ってしまうので、水につけてぷるぷるの状態にしてから食べるのがおすすめです。お気に入りのジュースやヨーグルトなどと一緒に摂るのもいいですね。栄養豊富でダイエットにも効果的なチアシード。毎日のおやつタイムにおいしく取り入れてヘルシーに楽しみたいスーパーフードです。