腸活料理研究家の五味かなこ先生。講演やケータリングなどで腸活料理のプロモーション活動、飲食関連のコンサルティング事業、腸活カフェのプロデュース事業に取り組まれています。腸活において食事で意識すること、腸内細菌バランスを整える上で大事なこと、など毎日の生活に簡単に取り入れる方法についてお話を伺いました。*
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食コンディショニングアドバイザー/一般社団法人 腸内細菌検査協会会員 / 腸内フローラ検査アドバイザープロ
手打ちそばと日本料理を提供する祖母元で幼い頃から『食』と密接な生活を送る。祖母の店の宴会メニュー考案、フードスタイリストのアシスタントを経て、ファストフード店のメニュー提案、サンドイッチチェーン店の商品開発に携わる。 現在は自宅で料理教室『めぐみも。キッチン』を主宰。「心と身体は食で作られる」という思いを軸に、現在も食に対するアプローチを継続中。 麹や酒粕など日本の伝統的な発酵食品や調味料を、日本食以外にも広く、日常的に活用できるようレシピを考案・提案し、食べることで身体のメンテナンスを図る。海外に味噌や日本茶などの日本食材を伝えるサイトのレシピ考案や、シェア店舗「富士見台トンネル」で腸活Cafe&Barを不定期で開催している。
Q1.料理を始めたきっかけは何ですか?
実家が祖母の代から日本料理店を経営していたので、自然と料理をするようになりました。小さいころから鰹節を削ったり、銀杏の殻を剥いたりしていました。小学校4年生の時に友達に本格的なご馳走をしたのが初めてのおもてなしでしたね。
中学校、高校時代はお弁当を自分で作ったりして、どんどん料理が生活の中に定着していきました。大学時代には調理師の免許も取得して、料理はお風呂や歯磨きと同じレベルの習慣だったと思います。
Q2.腸活に興味をもったきっかけはいつごろですか?
料理が好きだったこともあり、薬膳の食べ合わせの考え方など食事がもたらす健康へのアプローチを勉強していました。そのなかで「食べることで健康な心身を作るとはどういうことか」という疑問を追求して調べたことがきっかけです。
はじめは「身体に良い」といわれるオーガニックの食材や、昔ならではの製法で作られる醤油や味噌など発酵調味料の効果に注目し、発酵食品や食材が持つ酵素について勉強しました。
健康な食事は「食べる物」だけでなく「食べ方」にもポイントがあると思い、時間栄養学の観点から食を考える「食コンディショニングアドバイザー」という資格を取得しました。その後、発酵食品などの微生物がどのように作用して健康とつながるかを学び「腸内フローラ検査アドバイザープロ」の資格も取得しました。腸内細菌バランスを整えることが、健康の秘訣であるという結論にすべてが結びつきましたね。
資格取得後は今まで以上に発酵食品を意識するようになりましたし、腸の環境を乱さない整える食生活を心がけるようになりました。仕事でも腸を意識したメニューを作る頻度も増えたと思います。
最近では腸内細菌バランスをより詳しく調査できる機械も出るなど、腸活はより注目されていると感じます。
Q3.腸活をするとどんないいことがありますか?
腸活のメカニズムはまだ解明されていない部分が多々あります。
私が所属する一般社団法人 腸内細菌検査協会ではアスリートの腸内細菌バランスを整えるサポートをしていますが、フルマラソンを走った後は体力を著しく消費してしまい、その後体調を崩すランナーが多いそうです。
そこで、食事プログラムをしっかり組んで免疫力が下がらないようケアした状態で走ると、体調が崩れることを防げるのです。
腸内細菌バランスを整えることで、元気な毎日を過ごすことにつながっているんだなと感じますね。
Q4.五味先生自身が腸活に取り組んで変わったことはありますか?
私は代謝が落ちて体重が増えやすい年齢ではありますが、特に食事制限をしなくても体重をキープできるようになりました。
また、頭痛持ちで酷い片頭痛にも悩まされていましたが、その頻度も重度も下がったと実感しています。
Q5.腸活で意識していることはありますか?
長く続けられるように、いろいろなことを制限しないように意識しています。腸活ではアルコールや砂糖を使った甘い物を控えることを勧められますが、私は極度な制限はしていません。
腸活にストレスは大敵なので、身体が欲している時には我慢せずにスイーツも食べますし、お酒も飲みます。リラックスしたり、楽しい時間を過ごしてストレスを溜めない方が腸内細菌が喜ぶのではないでしょうか(笑)。
暮らしを楽しみながら、少し腸活を意識するだけで健康を維持できると感じています。
Q6.腸内細菌バランスを整える上で大事なことは?
腸内細菌の種類と数を増やすことが腸内細菌バランスを整えるポイントです。腸内細菌の種類と数を増やすには、いろいろな種類の食材を食べることがおすすめです。
腸内細菌の餌となる食物繊維やオリゴ糖やビフィズス菌にも色々な種類があります。腸内細菌によってそれぞれ好む餌が異なりますので、特定のものを食べ続けるよりも、いろいろな食材を摂ることが大切です。
ヨーグルトも銘柄によってビフィズス菌の種類が違うので、買うたびに銘柄を変えるのも良いと思います。
「いろいろな食材」というと、調理の手間が増えて大変な気もしますが、実は簡単なんです。たとえば冷奴にかつお節・白ごま・青のりを加える。食事にチーズやキムチを添える。食後に果物を追加する。それだけで食材数を増やすことができます。そう考えると簡単に腸活を始められそうな気がしませんか?
Q7.腸活の食事で意識することは?
腸活の食事で意識したいことは3つあります。
1つ目は微生物自体がいる食品を食べることです。納豆やキムチ、ヨーグルトなどですね。
2つ目は食物繊維やオリゴ糖など腸内細菌の餌になるものを含む食材を食べることです。野菜やイモ類、豆類、雑穀、海藻類などです。
3つ目はいろいろな食材をバランスよく食べることですかね。この3つを意識しながら毎日の食事をしていただくと、腸内細菌バランスも整っていくと思います。
Q8.食事以外で腸活に取り組んでいることは?
食事以外だと溶岩ヨガをしています。ヨガは普段動かせない部分を動かしたり、呼吸を整えたりできてすごく気持ちいいなと思い続けています。
初めてヨガをした帰り道は体が軽くて感動しました。溶岩ヨガはしっかり身体やお腹を温められるので腸の働きをよくすることにもつながっているのかなと感じます。
Q9.腸活って簡単にはじめられますか?
私は腸活って簡単にはじめられるものだと思っています。食事を工夫するなら、たとえば納豆やヨーグルトは買ってきてそのまま食べれますし、1から食材を切って調理しなくてもできることが多いので実は簡単なんです。
簡単に、すぐに始められるのが腸活のいいところです。続けることで健やかな毎日を過ごせるようになっていきますよ。
Q10.普段の生活でサプリは摂りますか?
エクオールという成分が入っているサプリを毎日摂っています。ビタミンCなどのサプリも体の調子に合わせてたまに摂るようにしています。
年齢を重ねて、日々の食事だけでは健康維持が難しいこともあるので、サプリを摂っていくことは、自分の暮らしを豊かにするためには必要だと思います。
Q11.サプリの選び方でこだわりはありますか?
サプリは成分の含有量がしっかり入っていて、同じ成分でも数種類のものを含んでいるものがいいと思います。
同じ成分でも数種類を摂る方が腸には良いと思っているので、含まれている成分だけでなく、その中の種類まで見るのがいいと思いますね。