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腸活

菌活のやり方を紹介!腸内環境を整える方法とは?

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2022年9月27日 / 更新:2022年12月 2日

腸内細菌バランスを整える菌活には、食事や運動などいくつかのポイントがあります。それぞれを同時に取り入れながら、食生活と生活習慣の改善をはかることが大切です。

今回は、菌活の具体的なやり方について紹介します。「そもそも菌活とは?」という基礎知識をはじめ、メリットやおすすめの食品など、菌活を始める際の参考にしてください。

加藤智子

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。 日本医師会認定産業医。 日本抗加齢医学会認定専門医。 NPO法人女性と加齢のヘルスケア学会更年期カウンセラー。 検診マンモグラフィ読影認定医。 日本気象予報士。 食生活アドバイザー、他。 浜松医科大学医学部医学科卒業。 妊娠や子育て、不妊治療、婦人科疾患など女性の一生をサポートし不安や悩みに応えるべく、多様な資格を活かしたトータルケアを目指し活躍中。

腸内細菌バランスを整える菌活とは?

「菌活」とは、食生活や生活習慣を改善し、腸内細菌バランスを整えることです。菌活は、便秘解消や免疫力アップのほか、ダイエットなどに対する有用性を期待できます。

腸内細菌バランスの良し悪しは、3種の腸内細菌によって決まります。菌活のやり方を知る前に、まずは腸内細菌の種類と特徴について確認していきましょう。

「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」3種の腸内細菌

腸内細菌は「善玉菌」、「悪玉菌」、「日和見菌」の3種の細菌によって構成されています。理想とされるのは善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割のバランスです。腸内細菌のバランスは1人ひとり異なり、食生活や生活習慣が影響しています。

善玉菌は、体に良い作用をもたらす細菌です。主な菌種には、乳酸菌やビフィズス菌などが挙げられます。善玉菌の働きは、乳酸や酢酸などをつくりだして腸内を弱酸性に保つことです。悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、食中毒菌や病原菌から体を守ります。

悪玉菌は、体に悪影響を与える細菌です。腸内を病原菌が好むアルカリ性へと変化させます。腐敗物質や毒素を出して体の抵抗力を弱めるなど、生活習慣病のリスクを高める働きが特徴です。

人体に悪影響を及ぼす悪玉菌ですが、決して不必要なわけではありません。悪玉菌は、食品から得たたんぱく質を分解し、便として処理排泄する役割を担っています。

善玉菌と悪玉菌、どちらにも属さない菌は日和見菌と呼ばれます。日和見菌の主な菌種は、バクテロイデスや連鎖球菌などです。日和見菌は善玉菌と悪玉菌のうち、優勢な菌へと味方します。そのため、腸内の健康状態を保つためには、善玉菌を増やして日和見菌を味方につけることが大切です。

善玉菌を増やすポイント

善玉菌を増やすためには、腸内細菌バランスを整える食事を意識する必要があります。具体的には、生きた善玉菌「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」を摂取できる食事です。

代表的なプロバイオティクスには、ビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌が挙げられます。プロバイオティクスは腸内に留まることができないため、継続的に摂取することが大切です。

また善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やすプレバイオティクスには、オリゴ糖や食物繊維などが挙げられます。菌活で大切なポイントは、これらの栄養を両方摂取することです。エサとなるプレバイオティクスとともに善玉菌を直接摂取すれば、腸内で効率的に善玉菌を増やせます。

菌活がもたらす3つのメリット

腸内細菌バランスを整える菌活には、次のような3つのメリットがあります。

1. 便秘解消
2. 免疫力アップや軽度認知障害リスクの低下
3. 生活習慣の改善

前述したように、菌活は食生活だけではなく、生活習慣の見直しが重要です。そのため、体のなかから健康になると同時に、不規則な生活を改善できます。結果的に心と体の健康につながり、心身ともに良好な生活を送ることができるでしょう。

1.便秘解消

便秘は、大腸の活動機能の低下や運動不足、水分不足によって起こります。また、栄養バランスが偏った食生活も便秘を引き起こす要因のひとつです。

菌活は、食生活を改善することで、水分不足や食物繊維不足を解消していきます。菌活の一環として取り入れる運動も便秘解消に役立つでしょう。

また便秘の解消は、肌荒れの改善にもつながります。腸のターンオーバーが活発になるため栄養吸収の速度が速まり、美肌作用が期待できることもうれしいポイントです。

2.免疫力アップや軽度認知障害リスクの低下

菌活で腸内細菌バランスが整うと、免疫力がアップします。特に善玉菌のひとつであるビフィズス菌は、加齢とともに減少する細菌です。菌活で免疫力がアップすれば、年齢を重ねていても風邪予防や疲労回復作用を期待できます。

また注目したい点は、腸内細菌バランスが脳にも影響を及ぼすことです。近年は、腸内細菌と認知機能との関連について研究が進められ、腸内細菌の変化は、軽度認知障害のリスクを約5倍高めるといわれています。

ストレスや緊張が便秘や下痢を引き起こすことからも、脳と腸は密接な関係にあるといえるでしょう。

3.生活習慣の改善

菌活をおこなう際は、食生活と同時に生活習慣の見直しを図ります。不規則な生活は、腸内細菌バランスを乱す原因になるからです。

朝決まった時間に起床して朝食をとれば、排せつのリズムが整います。睡眠不足も腸内細菌バランスの乱れにつながるため、夜は湯船に浸かり、リラックスした状態で眠りにつくことも大切です。

また、菌活の一環として運動に取り組めば、自然と運動不足が解消されます。このように、さまざまな要因が重なりながら生活習慣が改善されることも菌活の大きなメリットです。

(参考:岡山大学病院薬剤部 薬品情報室「薬の窓口」)

菌活の3つのポイント

菌活をおこなうときは、次の3つのポイントを意識してみてください。

1. 善玉菌を増やす食品を摂取する
2. 生活に運動を取り入れる
3. 便の状態から腸内細菌バランスをチェックする

腸内細菌バランスを整えるというと食事にばかり意識がいきがちですが、日々の生活に運動を取り入れることも大切なポイントです。また、便の状態をチェックすれば、日頃から菌活がもたらす腸への影響を把握できます。

1.善玉菌を増やす食品を摂取する

菌活の大切なポイントは、善玉菌を増やす食品を摂取することです。反対に、脂質に偏った食品ばかりを摂取しないように気を付けてください。たんぱく質や脂質ばかりの食生活は、腸内細菌バランスを乱す原因になります。

善玉菌を増やす食品として挙げられるのは、発酵食品や野菜、果物などです。菌活を始める前は、これらの食品が不足していないか、日々の食生活を振り返ってみましょう。

2.生活に運動を取り入れる

日々の生活には、運動を積極的に取り入れていきましょう。運動することで全身の血流が促進され、消化器官の働きが活発になるといった有用性が期待できます。

基礎代謝がアップし、ダイエット作用が高まることもうれしいポイントです。運動内容は、継続できる簡単なものでかまいません。決まった時間に運動をすれば生活習慣が改善され、健康な体づくりに役立ちます。

3.便の状態から腸内細菌バランスをチェックする

自分の腸内細菌バランスの良し悪しは、便の状態で確認できます。菌活を始める前や菌活中は、こまめにチェックしてみてください。便秘で便が硬かったり、下痢で形がなかったりする場合は、腸内細菌バランスの乱れが考えられます。

普通便と呼ばれる便は、色が黄色っぽく、適度に柔らかいバナナのような形状です。腸内で悪玉菌が優勢に働くと、便の色は茶色や黒色に変化します。菌活のやり方が自分にあっているかが疑問なときは、便の状態を参考にしてみましょう。

(参考:岡山大学病院薬剤部 薬品情報室「薬の窓口」)

乳酸菌にはたくさんの種類があり、形態・発酵形式・発育条件によって分類されています。

今日からできる!菌活の4つのやり方

ここからは、以下のような具体的な菌活のやり方について紹介します。

1. 朝食をとり食習慣の改善を
2. 1日9,000~1万歩を目標にウォーキング
3. 腸をやさしくマッサージ
4. 睡眠時間をしっかり確保する

「何から始めればいいの?」と疑問に感じるときは、ぜひこれらを参考にしてください。大切なのは、無理のない範囲で生活に取り入れることです。少しずつでも継続すれば、善玉菌が優勢に働く腸内細菌のバランスをキープできます。

1.朝食をとり食習慣の改善を

菌活をおこなうときは、きちんと朝食をとるように心がけましょう。これまで朝食を食べる習慣がなかった場合は、水を飲むだけでも有用です。胃や大腸の反射が促され、排便へとつながります。

また、毎日の食事は腸内細菌バランスを整えるメニューへと改善するのがおすすめです。前述したように、善玉菌を増やす食品を意識的に摂取すれば、腸内細菌のバランスが整えられます。

これまで肉や魚中心の食生活だった場合は、野菜を多めに摂取しましょう。「肉や野菜を食べない」と極端に捉えるのではなく、全体的な栄養バランスを意識することが大切です。

2.1日9,000~1万歩を目標にウォーキング

菌活で便秘を解消したいときは、ウォーキングがおすすめです。下腹部にあるインナーマッスルの「腸腰筋」が鍛えられ、便を腸から出す手助けをしてくれます。

目標は1日9,

000〜1万歩ですが、難しい場合は無理をしないようにしましょう。階段昇降やスクワットでも腸腰筋は鍛えられます。体の振動や筋肉の動きが便の動きをサポートするため、まずは軽い運動から始めてみてください。

3.腸をやさしくマッサージ

腸を健康に保つには、肌の上から腸をやさしくマッサージする方法もおすすめです。食事や運動と組み合わせることで、相乗効果が期待できます。

腸をマッサージするタイミングは、起床後や就寝前、入浴中、入浴後などです。食前食後はなるべく避けるようにしてください。

大腸を中心にもむマッサージは、便秘解消に有用です。仰向けに寝転がって両手で逆三角形を作り、右の骨盤の内側、次に肋骨の下、おへそとみぞおちの中間、左の肋骨の下、骨盤の内側と順に押していきましょう。息を吐くタイミングで押し、吸うタイミングで離すのがマッサージのポイントです。

4.睡眠時間をしっかり確保する

睡眠不足は、腸内細菌バランスの乱れを招く原因になります。睡眠時間をしっかりと確保し、規則正しい生活を心がけましょう。決まった時間に起床する習慣が身に付けば、排便リズムも次第に整っていきます。

前述したように、起床後に水を飲む習慣と組み合わせればより有用です。可能であれば、朝食もしっかりと摂ってください。ストレスで寝付けないといったことがないよう、普段からストレスをためない生活を心がけることも大切です。

(参考:NHK「“腸活”のススメ(1)腸は命のもと」)

菌活におすすめの食品4選

前述したように、菌活では善玉菌を増やす食品を摂取することが大切です。ここでは、特におすすめの次の3つの食品について詳しく紹介します。

1. 発酵食品
2. 野菜
3. 海藻
4. 果物

発酵食品は、善玉菌を直接摂取できるプロバイオティクスにあたる食品です。また野菜や海藻、果物には、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖が含まれています。

1.発酵食品

発酵食品には、ヨーグルトや納豆、味噌、漬物などが挙げられます。これらに含まれる生きた善玉菌は、腸内で長時間滞留できないため、継続的な摂取が必要です。日々の食事の負担にならないよう、上手に献立に取り入れていきましょう。

おすすめ食材の2つ目に挙げている野菜類も、味噌汁に入れればかさが減って食べやすくなります。たくさんの具材と豚肉を入れた豚汁などは、たんぱく質も一緒に摂取できておすすめです。

2.野菜

野菜類には、善玉菌のエサとなる食物繊維が含まれています。菌活の食事には、野菜類を積極的に取り入れるようにしましょう。ビタミン類も同時に摂取でき、食事全体の栄養バランスが整います。

さらに効率よく食物繊維を摂取したいときは、主食を玄米や麦に代えるのがおすすめです。味が気になるときは、白米とブレンドして炊いてみてください。プロバイオティクスの納豆と組み合わせれば、菌活の相乗効果が期待できます。

3.海藻

低カロリーな海藻も、食物繊維が豊富な食品です。特に和食には、わかめの酢の物やひじきの煮物、昆布巻きなど、海藻を使ったさまざまなメニューがあります。

なかでも、ひじきの煮物は食物繊維が豊富で常備菜に適した一品です。にんじんや乾燥大豆、油揚げなどを加えれば、さらに栄養バランスの整ったおかずができあがります。

4.果物

果物に含まれるオリゴ糖には、自らエサとなって善玉菌を増やす働きがあります。果物のなかでも食物繊維の豊富なバナナは、腸内の菌の活動におすすめの食品です。皮を剥くだけで手軽に食べられるため、忙しい朝でもサッと栄養を摂取できます。

より菌活の有用性を高めたいときは、ヨーグルトをあわせてみてください。プロバイオティクスも一緒に摂取でき、栄養バランスが整います。

(参考:岡山大学病院薬剤部 薬品情報室「薬の窓口」)

菌活のやり方をマスターし腸内細菌バランスを整えよう

食事と運動、睡眠を重視する菌活は、腸内細菌バランスを整えて体を健康な状態へと導いてくれます。大切なのは、継続できそうな活動から生活に取り入れてみることです。

朝食を食べる習慣がなかった場合は、バナナやヨーグルトを口にすることから始めてみましょう。また、善玉菌を手軽に摂取できるメニューの活用もおすすめです。



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