女性ホルモンは私たちの健康と美しさを保つのに重要なカギを握る存在です。でも案外詳しくは知らないもの。今回は、どのようにしたら女性ホルモンを効果的に分泌できるのか、そのライフスタイルや食事についてご紹介します!
深い関係をもつ美容と女性ホルモン
私たち女性の体は女性ホルモンにコントロールされています。女性ホルモンは、女性らしいからだをつくる働きを持っているため、子宮や膣、乳房の発育や機能に影響を与え、妊娠や出産に大きく関わってきます。
女性ホルモンの働きは生殖に関わるだけでありません。ツヤツヤでハリのある肌を保つ、髪に艶を与える、代謝を促す、肥満を防止するなど女性の美容と関わりの深いホルモンでもあります。このほかにも、血管を強くする、骨を強くする、善玉コレステロールを増やして悪玉を減らす、血糖値を正常にする、体内の水分量をコントロールする、利尿作用を促すなど健やかな体をつくる作用も見逃せません。
2つの女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」
女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つがあります。エストロゲンは、女性らしさをつくるのに欠かせないホルモン。生理周期に合わせて妊娠に備える働きをするほか、自律神経や感情の動き、皮膚や粘膜、骨や血管、脳の働きにも関わってきます。肌のハリや髪の輝き、バストアップなど見た目の美しさを育むほか、感情をおだやかにし、明るく前向きな気分をつくりす女性ホルモンです。
もう一方のプロゲステロンは、子宮内膜を着床しやすく整えたり、体温を上昇させたりするなど妊娠をサポートする働きをしています。そのほか、体内に水分や養分を保持したりする一方で、感情を落ち込みやすくさせたりするといった作用もある女性ホルモンです。
これら2つの女性ホルモンは生理周期によって分泌される量が異なります。生理終了から徐々に分泌量が増えて排卵前にピークを迎えるのがエストロゲン。排卵後にプロゲステロンが急上昇し、生理が始まる前までは優位になります。
2つの女性ホルモンは働きが異なるため、適度にバランスよく分泌されることが大切です。女性ホルモンの機能を知ると、一見エストロゲン分泌を増やせば良いと思いがちですが、エストロゲン分泌が過剰の状態が続けば子宮筋腫や子宮内膜増殖症、乳がん、子宮体がんのリスクが高まります。あくまでバランスが肝心なのです。
女性ホルモンのバランスを整える、おすすめの食事
女性ホルモンをバランスよく分泌させるためには、どのような食事をとるとよいのでしょうか?おすすめは、豆腐や納豆、豆類、レバーや卵などの肉類、かつおやいわし・さけなど魚類の食事です。比較的身近で手に入りやすいものなので、積極的にとりたいものです。とり過ぎても尿や汗と一緒に排出されるので心配もありません。
また、大豆油やごま油などの植物油、ピーナッツなどのナッツ類、レバーやうなぎ、ほうれん草やブロッコリーなども女性の体にとりいれたい食品と言えます。
さらに生活のひと工夫やサプリメントで、女性ホルモンのバランスを良好に!
女性ホルモンのバランスを良好にするため、ライフスタイルを工夫してみるのもいいでしょう。その基本はバランスのよい食事。これだけ食べればよいというものはなく、たんぱく質・脂質・糖類・ミネラル・ビタミンをまんべんなくとることが大切です。もちろん無理なダイエットなどもってのほかです。時にはサプリメントなどでバランスを整えましょう。
そのほか、日頃の張りつめた緊張感をときほぐし、リラックスした生活を送るようにしてください。一日の始まりや終わりに好きな音楽を聴く時間を設けてもよいでしょう。
また、笑いのある生活は気分を前向きにさせてくれます。朝起きたときや出かける時に、鏡の前ににっこりと笑う習慣をつけてみてください。ストレスを緩和し、のびやかに日々を過ごすことが、女性ホルモンのバランスを整え美と健康を手に入れる一番の近道です。
【参考文献】
主婦と生活社『女医さんが教えてくれた女性ホルモンがわかる本』監修:網野幸子
経済界『恋より美容液よりシンデレラホルモン』著者:対馬ルリ子